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「夕暮れ時」は事故が起こりやすい? 従業員が事故を回避するための対策法

交通事故の発生しやすさには、時間や場所などに一定の傾向があります。では、一日のうち交通事故が起こりやすい時間帯はいつでしょうか。その答えは「17~19時台」です。今回の記事では、この時間帯にどのような事故が、どのような原因で発生するのかをみていきます。そして確かな事故防止策を探ることで、社用車を扱う企業の従業員が事故を回避するために必要なアクションを検討します。

【目次】

■夕暮れ時の事故発生率は「昼間の約4倍」
■「横断歩道手前での減速」を指導することが重要
■夕暮れ時に運転をするときの注意点とは?
■実際の映像を活用し、師走の安全運転指導の強化を

夕暮れ時の事故発生率は「昼間の約4倍」

まず初めに、データからわかる実態をみていきましょう。警察庁が発表した平成27年(2015年)から令和元年(2019年)までの5年間のデータをみると、時間帯別の死亡事故の発生件数は、17~19時台だけが1時間あたり1,000件を超えています。

17~19時台というと、日没の時間帯(周囲の視界が徐々に悪くなる夕暮れ時)にも重なることから、ドライバーが歩行者の姿を認識しづらい時間帯ともいえます。そして、その時間帯に発生する状況や場所からも、夕暮れ時の危険性が垣間みえます。

まず、時間当たりの事故件数について、夕暮れ時は昼間に比べて約4倍の事故が発生しています。そして、夕暮れ時の自動車と歩行者の死亡事故の約9割は、歩行者が道路を横断しているときに発生しているのです。

12月は日の入りが早くなり、業務時間であっても暗さを感じるなかで運転をすることも想定されます。12月は夕暮れから夜間の事故が多くなるという統計もあり、企業として夕暮れ時の交通事故を防ぐためには、どのような対策が必要なのでしょうか。

「横断歩道手前での減速」を指導することが重要

社用車を扱う企業が初めに取り組みたい指導のポイントとしては、次の3つが挙げられます。

・夕暮れ時は昼間よりも速度を抑える
・信号のない横断歩道の手前では、十分に減速する
・カーブを曲がるときには、十分に減速する

同じく警察庁が公開したデータ(薄暮時間帯の信号機のない横断歩道における自動車の危険認知速度別歩行者の事故件数 平成27年~令和元年)によれば、夕暮れ時における信号機のない横断歩道での自動車と歩行者の死亡事故は、自動車が時速40km/hから60km/hで走行している場合に多くなっています。つまり、自動車側の横断歩道手前で歩行者を認識してからでは減速が不十分な状況で多くの死亡事故が発生しているわけです。

時速40km以下に減速しない場合、時速40km未満で走行していた場合と比べて、死亡率が3倍以上に上昇することも明らかにされています。こうした状況から考えると、夕暮れ時は人気のない場所だからと油断せずに横断歩道手前では減速することが大原則といえそうです。

夕暮れ時に運転をするときの注意点とは?

では、横断歩道での注意力を高めるために、どのようなことを習慣づければよいのでしょうか。夕暮れ時だからこそ取り組みたい対策をまとめると、次の4つが挙げられます。

①ダイヤマーク(横断歩道前)での減速

1つ目は、路面に書かれたダイヤマークでの減速です。ダイヤマークは「横断歩道または自動車横断帯」を意味する道路標識で、横断歩道の30m前に設置されています。例え横断歩道が見づらい状況であっても、このマークをみかけたら横断歩道の存在を意識して確実に速度を落とすように習慣づけましょう。

②日没30分前からのライトの点灯

2つ目は、早めの時間帯からのライトの点灯です。夕暮れ時は徐々に暗くなってくるため、ライトを点灯するタイミングを判断しづらいものですが、日没30分前にもなると、周囲の車のテールランプが目に付くようになってくるはず。その時間帯には歩行者の姿も徐々に確認しづらくなってきますので「日没30分前にはライトを点灯」というように、一定のルールを決めた運用が望まれます。

③車道(右)側から来る歩行者への注意

3つ目は、車道側から歩いてくる歩行者を意識することです。道路横断中の死亡事故は、自動車が対向車線を渡ってきた歩行者と衝突するケースが多く見受けられます。これは、ドライバーの立場からみたときに、左(歩道)側ではなく、右側(対向車線)側を横断してきた歩行者との衝突を意味します。

ドライバーの中には「歩行者は、自分から見て左側の歩道から飛び出してくるもの」と考えている方がいるかもしれません。しかし、暗闇で対向車の陰から飛び出してくる歩行者がいることも十分に想定しておく必要があります。

夕暮れ時は、対向車線から近づいてくる歩行者に気付きづらいものです。歩道を見ていれば大丈夫とは限らないため、特に横断歩道付近では左右をよく見て、歩行者がいないことを確認してから進行するようにする必要があります。

④交通量が少ない道ではハイビームを利用

4つ目は、ハイビームの活用です。一般的に、ロービームは40m程度、ハイビームは100m程度先まで届くといわれています。対向車線の車両がいないようなときには、ハイビームを有効活用して、前方の歩行者を確認しやすいように工夫しましょう。

実際の映像を活用し、師走の安全運転指導の強化を

夕暮れ時は心身の疲労によっても油断が生まれやすい時間帯です。管理者は夕暮れ時にヒヤリハットが起きていないかを重点的に確認してもよいでしょう。

通信型ドライブレコーダーなら、ヒヤリハット映像を自動でクラウドにアップロードをし、一覧表示から時間帯も確認できるので、夕暮れ時のヒヤリハットを把握するのも容易に管理できます。また、夕暮れ時に起きたヒヤリハット映像を活用することで、「夕暮れ時はいかに歩行者が見えづらいのか」「横断歩道前ではどの程度前から減速する必要があるのか」といったことを体感してもらうと、より自分ごと化することができ安全運転意識改善に効果的です。

そこで、これらを実行するために必要なのが、まず以下のような運転実態を把握することです。
・「本当に安全運転を意識して運転できているか?」
・「どのくらいの社員が、どの程度のヒヤリハットを経験しているのか?」

そこで弊社では、独自に運転する社員400名に対して運転実態調査を行い、運転する社員のホンネと事故防止のポイントを資料にまとめました。

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