あおり運転の社会問題化により、昨年6月末に道路交通法が改正され、あおり運転に対する罰則が規定されました。その「あおり運転厳罰化」から1年半、あおり運転の被害状況は改善したのでしょうか。本記事では、国や民間によるあおり運転に対する意識調査結果や、あおり運転対策の具体的な方法を解説します。
1.「あおり運転厳罰化」から1年、あおり運転に対しての意識調査
2-2.急ブレーキをしない・車間距離を詰めないなど周りのドライバーを刺激しない運転を心がける
2-3.カメラを設置し、あおり運転に遭った時は証拠として撮影する
3-1.ドライブレコーダーの導入によるあおり運転対策の実施と実際の効果
3-2.パイオニアの業務用ドライブレコーダーとビークルアシストによる運行管理
あおり運転とは、後方から車間距離を詰めて威嚇したり、前に割り込んで急ブレーキを踏んだりするなどの悪質かつ危険な行為を指します。 従来、法律による明確な規定はありませんでしたが、2020年6月30日に道路交通法が改正され、あおり運転に該当する行為と、それに対する罰則が定められました。
果たして、「あおり運転厳罰化」は、ドライバーの意識やその周りの運転に変化をもたらしたのでしょうか。調査結果をもとに紹介します。
定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:高橋 飛翔)は、車をよく運転する全国の男女1,180人を対象に、あおり運転に関する意識調査を実施しました。
「改正道路交通法施行後、他人の運転に変化を感じますか」という質問に対し、「変化を感じる」と回答したのは25.3%でした。「変化を感じる」と回答した人に、「あなたは以前と比べて安全運転を意識するようになったか」と聞いたところ、「意識するようになった」と回答した人は94.6%でした。
この意識調査から、他人の運転に変化を感じた人のほとんどが、より一層安全運転を意識するようになったことがわかります。
一方、「改正道路交通法施行後、他人の運転に変化を感じますか」という質問に対して「変化を感じない」と回答した74.7%の人に、「どんな経験から変化がないと感じているか」と質問しました。すると、「あおり運転や危険な運転を見かけるから」という回答が最も多く、40.3%という結果になりました。
このことから、「あおり運転厳罰化」から1年経過しても、あおり運転が見かけられるという状況はあまり変わっていないといえます。
自社が抱える社員があおり運転をしない・あおり運転に遭わないためには、自社のドライバーがあおり運転をしないように定期的に安全運転指導を実施し、常に安全運転を意識させることが重要です。本章ではあおり運転に遭った時の対処法と、遭わないための対策を紹介します。
あおり運転をされない基本は、「なるべく早く道を譲ること」です。逆にあおり運転に遭った際は、間違っても仕返しをしてはいけません。道を譲ってやり過ごせるくらいの、精神的な余裕を持つことが大事です。道を譲ってもしつこく追いかけられる場合は、サービスエリアやコンビニといった人目のある安全な場所に避難し、車を止めたらすみやかに警察に通報しましょう。
急ブレーキをしたり、過度に車間距離を詰めたりすることは、前後の車を刺激し、あおり運転のきっかけとなります。場合によっては「あおられている」と勘違いされかねないので、クレームを受ける、通報されるといったリスクがあります。また、あおり運転に遭わないためにも、周りの車が安全に走行できるよう気を配ることが必要です。
あおり運転に遭った際やあおり運転と思われてしまった際の事前対策としては、実際の証拠として動画を撮影することが重要です。そのためにはドライブレコーダーを設置し、いつでも証拠を残せるようにすることが効果的です。また、カメラを設置したり、録画しながら運転したりするだけでも、あおり運転に対する十分な抑止力となります。記録した映像は客観的な視点で見ることができるため、安全運転指導としても活用できます。
では、ドライブレコーダーを導入した人は、実際にどの程度効果を実感しているのでしょうか。
2020年10月に国土交通省が実施した個人向け調査によると、ドライブレコーダーの導入目的について「あおり運転等危険な運転への対策」と回答した人の割合は、30代以外の世代で7割以上にのぼりました。
ドライブレコーダーの導入の効果については、「期待通りまたは期待以上」および「おおむね期待通り」と回答した人は約6割でした。「わからない」と回答した人は約3割で、その理由のほとんどは、「まだ事故等が発生せず使っていないから」でした。
このように、ドライブレコーダーの導入後に事故やあおり運転の被害に遭った人のほとんどは、効果を実感していることがわかります。
パイオニアのドライブレコーダーは、同社が提供する車両運行管理サービス「ビークルアシスト」に対応しており、安全運転指導を自動化することでドライブレコーダーの継続的な活用を可能にします。
ビークルアシストは、車両運行における事故リスクを可視化し、安全管理の強化を実現するクラウド型の運行管理サービスです。画像解析AIが車間距離を判断し、あおり運転とみなされるリスクのある運転をドライバーに警告します。これにより、日常的な安全運転指導が可能です。危険な運転はリアルタイムで管理者に通知されるため、映像を探す手間がなくなり、すぐに活用できます。
パイオニアのホームページでは、本記事で紹介した内容の他にも事故削減に役立つ資料がいくつか閲覧できます。ドライブレコーダーのモニター制度も実施しているので、ドライブレコーダーでの事故削減やビークルアシストによる運行管理サービスに興味を持たれた方は、ぜひ以下のリンクからチェックしてください。