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社有車を車検に出す前に知っておくべきポイント

自家用乗用車を所有していると2年に1度(初年は3年に1度)車検の時期がやってきますが、社有車の車検についてはよくわからないという人も多いのではないでしょうか? 本記事では、社有車を車検に出す前に知っておくべきポイントについて解説します。

目次

1.社有車と乗用車の車検における違い

2.社有車の車検の期間

3.社有車の車検費用の内訳

3-1.車両の点検整備費用
3-2.車検代行費用
3-3.エンジンオイル等の定期交換費用
3-4.自賠責保険料などの法定費用

4.社有車の車検の必要書類

5.社有車の車検の手順と注意点

6.車検切れの状態で運転した場合の罰則

7.まと

社有車と乗用車の車検における違い

乗用車と社有車の違いは、使用目的にあります。自家用乗用車の場合は、レジャーや通勤、家族の送迎など目的はさまざまですが、社有車は企業が保有・管理する車で、一連の業務に必要不可欠な車とされています。営業車や商用車も含まれます。
見た目で社有車と判断できるのは、トラックやバス、タクシーなど法律上で商用車に分類されている、いわゆる緑ナンバーの車です。稀にワンボックスカーやミニバンなど、自家用乗用車としても活用されるような車は、乗用車なのか社有車なのか見分けが付きにくいケースもあります。
業務目的で使う社有車の場合、車検の時期や税金、保険料などが自家用乗用車と異なります。業務専用に使用される車は、個人で所有している車とは税金の考え方が異なり、経費として計上することが公的に認められています。
また社有車は、複数台所有していることがほとんどです。複数台まとめて保険に加入することで、割引が適用されるなどのメリットを受けられます。
社有車は、車のグレードを抑え、必要最低限のオプションのみにしているケースがほとんどであるため、車体の費用も安くなります。しかし業種によっては、荷台を取り付けたり、ハシゴを取り付けたりと必要に応じて仕様を変更しなければならないケースもあります。業務を効率的に行うためにも、事業に応じた独自のオプションを付けると同時に、それらについてきちんと検査を行うことが必要です

社有車の車検の期間

乗用車と社有車では、車検の期間が異なります。乗用車の初回車検は3年が経過したタイミングですが、社有車で多く使用されている4ナンバーや1ナンバーの貨物車の場合、初回車検は2年、以後は毎年車検が必要になります。また、緑色の背景のナンバープレートの事業用貨物車や大型貨物車については、初回から毎年車検を受けなければなりません。ただし社有車でも、3ナンバー、5ナンバー、7ナンバーの車については、自家用乗用車と同様、1年での車検になります。
いずれのケースでも、車検を受けられるのは車検満了日の30日前からです。車検の予約は、車検業者により異なりますが、数ヶ月前からできます。予約のタイミングや予約する台数によっては、予約割引や一度に複数車の車検を行うまとめ割引などが適用される場合があるので、なるべく事前に予約を進めておくとコストを安く抑えられるかもしれません。

参考:自動車検査・登録ガイド (mlit.go.jp)
車両等分類表 (hiroshima.lg.jp)

社有車の車検管理を簡略するには

社有車を複数台所有している企業にとっては、車検のタイミングが異なると、管理面で面倒になってしまいます。これらは、車検が満了を迎える数ヶ月前にまとめて車検を受けてしまうという方法で改善される場合があります。例として、5月に車検を予定しているが、別に所有している複数台の車検が3月に予定されているため、5月に車検を受ける予定の社有車を3月にまとめて手続きしてしまうといった方法です。
早い段階で車検に出すからと言って、車検費用が大幅に安くなることはありません。しかし今後、車検のタイミングを管理しやすくなるので、各社の事情に合わせた検討の余地はあるでしょう。
また、車検の有効期限満了日から30日前以降に車検を受ける場合は、現在の満了日に有効期限が加算されることになります。車検の時期が細かく設定できるのであれば、この「有効期限満了日30日前以降」に合わせられるのがベストでしょう。

参考:車検は何日前に出すのがベスト?早めに出しても損しない方法とは|新車・中古車の【ネクステージ】 (nextage.jp)

社有車の車検費用の内訳

車検の費用は、大まかに車検代行費用、24ヶ月(12ヶ月)点検整備費用、オイルなどの消耗品の交換費用の合計が基本的な料金となり、その他に法定費用がかかります。

車両の点検整備費用

車両の点検整備費用は、車検を行う業者によって金額の幅が広い傾向があります。比較的安価な車検業者であれば1万円前後から、ディーラーであれば3万円前後が一般的な相場になります。自家用乗用車の24ヶ月点検整備と商用車の12ヶ月点検整備費用には大きな差はありません。

参考:24ヶ月点検とは?点検費用の目安や車検を安く抑えるポイントを解説!|新車・中古車の【ネクステージ】 (nextage.jp)
自動車の点検及び整備に関する手引 (mlit.go.jp)

車検代行費用

車検代行費用は、車種に関わらず約6,000円から1万円が相場になります。車検には、ユーザー車検といった方法もあります。ユーザー車検とは、運輸支局へ車両を持ち込み、自分で車検を行う方法です。ユーザー車検を行う場合は、予備検査費用として3,000円程度にコストを抑えることが可能です。 ただし時間と専門知識が必要なため、社有車ではあまり使われていない方法です。

参考:自動車検査・登録ガイド (mlit.go.jp)
登録・検査手数料一覧表 (mlit.go.jp)

エンジンオイル等の定期交換費用

車検の際には、エンジンオイルなどの消耗品や各種パーツも点検します。車検の際に、交換や点検しておきたい部分を紹介します。

エンジンオイル・オイルフィルター

まず、エンジンオイルとオイルフィルターの交換です。車種や乗り方によって交換時期が異なりますが、長距離を走る社有車や営業活動で走行頻度が多い社有車は特に意識しておくと良いかもしれません。 必ずしも、車検のタイミングで交換しなければならないわけではありませんが、

ブレーキオイル

ブレーキオイルは1年車検となっている貨物車の場合、2年に1度を目安に交換しましょう。ブレーキオイルは自然劣化します。空気中の湿気を取り込み、耐熱効果が低下していき、ブレーキの利きが悪くなります。

自賠責保険料などの法定費用

車検を受ける際には、自家用乗用車や社有車など、車の使用用途に関わらず発生する法定費用があります。法定費用には、自賠責保険料自動車重量税、印紙代があります。
車種によって異なるため、詳しくはこちらをご確認ください。

参考:車検時の費用の内訳ご存じですか?(mlit.go.jp)
平成27年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート) (mlit.go.jp)

社有車の車検の必要書類

社有車の車検において、どういった書類が必要になるのか確認しておきましょう。社有車の車検において必要な書類は、自家用乗用車の車検を受ける時に必要な書類とほぼ変わりません。
自動車検査証、税金関係の自動車税納税証明書や自動車重量税納付書、自賠責に関する証明である自動車損害賠償責任保険証明書、点検整備記録簿です。車検証や点検整備記録簿は、車内に置いてある場合が多いですが、税金関係の証明は紛失しやすいので大切に保管しておきましょう

関連記事:社有車の維持費はどうやって削減する?コストの見える化のすすめ |お役立ち情報|クラウド型車両・運行管理サービス ビークルアシスト|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)

社有車の車検の手順と注意点

社有車の車検は、どのような流れで進められていくのでしょうか?以前から、車検を依頼している業者が決まっている場合は、その業者から車検のタイミングで連絡がくることがほとんどです。
車検の依頼先が決まっていない場合や毎回依頼先が異なる場合は、自ら整備工場やディーラーに問い合わせることになります。初めて車検の依頼を担当する場合は、これまでの依頼先などを事前に聞いておくのがおすすめです。
車検の手続きの際には、車検入庫日と代車が必要なのかを確認します。手続きをスムーズに進めるために、必要書類は事前にまとめておきます。車検が終了した後、車両を自分で引き取りに行くか、業者に納車してもらうか伝えておきましょう。車検が終わってもなかなか手元に返ってこないということがないよう事前に確認しておくことが大切です

車検切れの状態で運転した場合の罰則

車検が切れた状態で運転し続けると違反の対象になります。道路運送車両法違反で、6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が科されます。自賠責保険が切れている場合でも同様に違反となり、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科されます。

参考:自賠責保険共済 (mlit.go.jp)

車検が切れているタイミングで交通事故を起こしてしまうと、さらに処罰が重くなるので気をつけましょう。自賠責保険が切れていると、交通事故による相手のケガへの補償が一切適用されなくなり、会社の信用問題にも影響してしまいます。
会社の経営状況の悪化にもつながってしまうので、車検に関して取りまとめている担当者は、車検のタイミングを過ぎないように車両管理を徹底しましょう

まとめ

この記事では、社有車を車検に出す前に知っておくべきポイントについて解説しました。自家用乗用車と社有車では、見た目以外にも大きく異なる部分が多くあります。
社有車を選ぶ際は、税金面や使用頻度を考慮して選択することも大切ですが、事業における使用用途に応じた社有車を用意することもポイントになります。
基本的に走るだけで、荷物や人を多く運ばない場合は、スペックやオプションにこだわる必要はありません。機能が追加されると便利ではありますが、故障や破損した場合の費用が追加でかかってしまう場合もあるので注意しましょう。
また、複数の社有車を所有している際には、それぞれの社有車の車検時期を考慮しておくと手続きもスムーズです。車検の受け忘れがないように、車両情報や必要書類を決まった場所に保管しておくことを心がけておくことが大切です。