社用車を購入する際には、減価償却の扱いをはじめ、いくつかの注意点があります。また、運用時にかかるさまざまなコストを把握し、コスト削減に努めることも大切です。そこで本記事では、社用車購入時の3つの注意点や、運用コストを削減する方法として、運行管理を自動化するシステムを紹介します。
4.運用コストの削減を実現する運行管理システム「ビークルアシスト」
社用車の新規購入や増車をする場合、個人で購入するときとは異なる点があり、注意しなければなりません。法人での車の購入時の主な注意点について3つ紹介します。
まず注意しなければならない点は、減価償却の耐用年数についてです。これは新車と中古車によって異なります。新車の法定耐用年数は、普通車で6年間、軽自動車で4年間となります。しかし中古車の場合、法定の計算方法によって別途耐用年数を計算する必要があります。計算式は以下の通りです。
法定耐用年数 − 経過年数 + 経過年数×20%(1年未満切り捨て)
具体例として、
普通車の新車を買った場合の耐用年数は6年となり6年にわたって減価償却費を計上していきます。普通車の新車の法定耐用年数の全部を経過している、つまり6年落ち以上の中古車(普通自動車)を購入した場合は次のようになります。
6年(法定耐用年数) − 6年(経過年数) + 6年(経過年数)×20%= 1.2年
1.2年となりましたが、計算の結果が2年以内の場合は「2年」とみなされるため、耐用年数は2年となります。法定耐用年数の一部を経過した、1年8ヶ月落ちの中古車(普通自動車)を購入した場合、次のように計算します。
6年(法定耐用年数) − 1年8ヶ月(経過年数) + 1年8ヶ月(経過年数)×20%= 4.6年
1年未満の端数は切り捨てすることになっているので、耐用年数は4年となります。
このように中古車の減価償却の耐用年数を計算していき、計上していきましょう。
法人で車を購入する際、車種によっては、経費計上できない場合もあります。経費として認められるポイントは、購入する車が業務の必要性に見合っているかどうかです。たとえば、運送会社が宅配を行うために車を購入する際、高級車である必要性はありません。そのほか、私用で社用車を運転している場合なども、経費として認められない可能性があります。
用途に見合った車種を選択し、車の運行管理を適切に行うことが大切です。
車の減価償却は1ヶ月単位で計算されるため、契約する月のタイミングにも注意が必要です。たとえば、決算月に法人名義で車を契約すると、その年度の償却対象期間は1ヶ月分のみとなってしまいます。逆に、決算の翌月に車を契約すれば、次年度の決算ではすべての月数を償却期間として計上できます。
つまり12月末決算なのに11月に自動車を購入してしまうと、2ヶ月分しか償却対象とならなくなってしまい、1月に自動車を購入すると12か月分も減価償却として計上できます。
以上は車を購入・契約する際の注意点ですが、購入後の運用の際に気をつけなければならない点もあります。次章では、車の運用に関する注意点を解説します。
社用車の購入後は、道路交通法に従い、会社で車両管理者を選定し、車の管理運用をしなければなりません。そして管理運用にはコストがかかるため、それを把握しておくことも重要です。主な管理運用コストとして、以下の2つが挙げられます。
社用車が増えることにより、車を管理するための日常的な業務も増えていきます。具体的には、日報管理のためのデータ集計や記録、運転日報の記入などです。
また、社用車を運行する際、適切な営業ルートを考えることや、訪問先までの移動時間の短縮と営業効率化を図ることも簡単ではありません。
安全運転指導業務にかかるコストの増加も無視できません。車が増えることによりドライバーも増えるため、安全運転指導などの管理業務も増大するからです。
社用車が事故を起こした場合、保険料の支払いなどで会社に経済的負担がかかります。加えて会社の信用にもかかわってくるため、安全運転指導に関わるコストは膨らみ続けてしまいます。
社用車の管理運用業務における安全性や正確性を損なわずに、コストを削減するにはどうすればいいのでしょうか。次章では、このようなコストを解消できる方法を紹介します。
社用車の運用コストを削減するには、運行管理システムを用いるのが有効です。
基本的に、日報作成業務は管理者とドライバーの分業で、日報などはドライバー自身が手書きで書いていることが多いのではないでしょうか。しかし、手書きでは手間がかかり、正確性も万全とは言えません。
運行管理システムを利用すれば、管理者による統合管理やデータ集計の自動化によって、日報作成業務を大幅に効率化できます。
また、集計したデータを活用することで、最適な運行ルートを自動作成することも可能です。訪問先が複数ある場合も、最適な訪問順を提示してくれます。
日々の安全運転指導には手間がかかるため、管理者が多忙なことで十分な指導ができないことも珍しくありません。その結果ドライバーの安全運転意識が低下し、重大な事故を起こす可能性もあります。
しかし、運用管理システムを導入すれば、危険運転警告や運転評価メールなどを自動で通知してくれるため、安全運転指導が自動化されます。これによりセルフコンサルティングが可能となり、安全への意識を向上させつつ、安全運転指導に関するコストを削減できます。
これらの方法を実現できる運行管理システムを次章で紹介します。
運用コストの削減を実現する運行管理システムが、パイオニアの「ビークルアシスト」です。ビークルアシストに対応可能なドライブレコーダーを車に搭載し、連携することで、運行業務を効率化しコストを削減できるようになります。また、ドライブレコーダーを通じて映像のデータを提供し、発生した危険挙動のリストも取得できるため、安全運転指導にも活用可能です。