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【総務アンケートから見る】ドライブレコーダー活用のトレンドと残された課題とは?

悪質な自動車運転が社会問題化する中、社用車にもドライブレコーダーを設置する企業が増えています。しかし、導入後の運用状況は意外と知られていないことが現実です。各社はどのようにドライブレコーダーを活用しており、導入後の課題としては何が残されているのでしょうか?国土交通省が公開している事故防止マニュアルや、全国の総務担当者への調査を通じて明らかになった実態と、その解決策をご紹介します。

【目次】

■どんな目的でドライブレコーダーを導入しているのか
■ドラレコを活用する上で「欠かせないステップ」とは
■ドラレコ活用に向けて残された「2つの課題」

■どのような目的でドライブレコーダーを導入しているのか

そもそも、法人向けのドライブレコーダーは、各社にどのような目的で導入されているのでしょうか?国土交通省が発行している「ドライブレコーダーによる事故防止マニュアル」では、各社の主な導入目的として、次の5つが挙げられています。

<ドライブレコーダーの導入目的>
①事故処理、事故発生時の第一当事者、第二当事者の明確化
②事故・ヒヤリハットの収集による教育への活用(事故惹起者や新人への指導、集合教育用の教材等)
③ヒヤリハットに限らず運転方法のモニタによる運転指導
④防犯・お客様とのトラブル等の記録
⑤経済的な運転、燃費向上

https://www.mlit.go.jp/common/000051538.pdfを筆者にて要約

これらの導入目的は、大きく分けると次の2つに分類できます。
1)事故防止策(例:教育への活用)
2)事故後の対応策(例:事故処理の迅速化)

「月刊総務オンライン」会員を中心とする全国の総務担当者に対して行われたアンケート結果でも、81%の企業が「交通事故の防止」を目的として、ドライブレコーダーを導入していることがわかります。一方で、同アンケートの「実際に事故は減ったか」という設問では、62%が「導入前と変わらない」と回答しています。

この結果を見る限り、ドライブレコーダーを事故の防止に活用するには運用上の課題が大きいようです。

■ドライブレコーダーを事故防止・削減のために活用する上で「欠かせないステップ」とは

ドライブレコーダーを事故防止に活用するためには、どのような点がポイントになるのでしょうか?国土交通省が公開している「ドライブレコーダーによる事故防止マニュアル」では、ドライブレコーダーの活用ステップについて、次のように解説されています。

ステップ① 機器の導入(映像記録型ドライブレコーダーの導入)
ステップ② 事故・ヒヤリハット動画の収集(運転時の動画データの収集)
ステップ③ データの抽出(事故・ヒヤリハット映像データを抽出)
ステップ④ 事故・ヒヤリハットの分析(事故・ヒヤリハット場面の分析と事故再発防止対策立案)
ステップ⑤ 教育の実施
ステップ⑥ PDCAサイクルでの改善

https://www.mlit.go.jp/common/000051538.pdf を筆者にて要約

しかし、全国の総務担当者に対して行われたアンケート結果では、定期的に映像を確認しているケースは非常に少ないのが実情のようです。

■ドラレコ活用に向けて残された「2つの課題」

今回ご紹介した調査結果を踏まえると、ドライブレコーダーを十分に活用するためには、次の「2つの課題」があることがわかります。

1つは、「映像の収集→ヒヤリハットの抽出→分析→教育」というサイクルをまわす業務の負荷です。ドライバーの運転状況を把握し、安全運転指導に活かすためには、このサイクルをスムーズに回し続ける仕組みが必要です。これは管理台数が多い、管理車両が複数拠点にあるケースは管理上の手間が増えていくので、運用できる体制やツールの選定を行いましょう。

もう1つは、ヒヤリハット動画の活用です。自社で発生した身近な事故・ヒヤリハット場面をドライバーに示すことは有効と言われています。「危険運転動画」を効率的に収集でき、手間なく管理できるかは、業務負荷に大きく影響します。

企業がドライブレコーダーを選ぶポイントは、性能やコストだけでなく“運用ができるか”が重要になります。最近注目されている通信型ドライブレコーダーは、前項の活用ステップ②動画の収集と③データの抽出を自動で行うことで、管理者の手間を軽減するドライブレコーダーとしてニーズが高まっています。

そこで事故防止対策に有効的なドライブレコーダーの必須条件と運用方法をまとめた資料を以下にご用意しております。事故防止対策をお考えの企業様は、ぜひご覧ください。