外回りや荷物の配送で自動車の運転をされる方も多いでしょう。業務で運転をしている時に駐禁などの交通違反をしてしまうと、会社に迷惑がかかってしまうこともあります。交通ルールを十分に理解して運転をするようにしましょう。 本記事では、駐禁(駐車禁止違反)にともなう違反点数、反則金(罰金)、警察署に出頭しない場合のデメリットについて解説します。駐禁の種類や違反を弁明できる制度など覚えておきたいポイントも併せて紹介するので、業務で車を使用する方や社有車をお持ちの企業の皆様はぜひ最後までご覧ください。
「駐禁」と呼ばれることの多い駐車違反ですが、その中でも放置駐車違反と駐停車違反の2種類に分類できます。
放置駐車違反とは、駐車してはいけない場所で車を停めてかつ運転手が車から離れていてすぐに運転できない状態の時に該当します。一方、運転手が車のそばにいる場合は駐停車違反に該当します。(※)
駐車違反で切符を切られるシーンとして多いのが、放置駐車違反です。日本では、車が5分以上停止している状態を駐車と定めています。ハザードランプを付けているか、周りに車があるかは駐車違反には関係ありません。すぐに運転できる状態で、かつ駐停車禁止の標識がない場所であれば、人の乗り降り程度でしたら駐車違反とはなりません。
しかしすぐに戻るつもりであっても、近くのコンビニに行くなどして車から5分以上離れてしまえば駐車違反になります。
特に気を付けなければならないのが駐停車禁止の標識です。駐停車禁止の標識がある場合、駐車のみならず停車もしてはいけません。道路交通法では下記のような場所は、駐停車禁止区域と定められています。
停車とは、車が駐車以外で停止している状態を指します。すぐに発進できる状態で5分以内の停止であっても、駐停車禁止の標識があるなら駐車違反になってしまいます。 営業で車を利用している場合、ちょっとした荷物の積み下ろしのために停車することがあるかもしれません。その際は駐停車禁止の標識がないか、よく確認するようにしましょう。
※出典:e-Gov法令検索「道路交通法(第四十四条、第五十一条の四)」
関連記事:安全運転義務違反に該当するケース!事故時の点数と罰則金について |車両管理ならビークルアシスト|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)
違反点数と反則金(罰金)は停車するスペースや車種によって異なります。駐車違反の種類と設置してある標識の種類、車種に基づいた違反点数と反則金は以下のとおりです。(※)
駐車 |
標識の |
違反点数 |
普通車の |
大型車の |
二輪車の |
原付の |
放置駐車 |
駐停車 |
3点 |
1万 |
2万 |
1万円 |
1万円 |
駐車禁止 |
2点 |
1万 |
2万 |
9,000円 |
9,000円 |
|
駐停車 |
駐停車 |
2点 |
1万 |
1万 |
7,000円 |
7,000円 |
駐車 |
1点 |
1万円 |
1万 |
6,000円 |
6,000円 |
※反則金額は、専用駐車区間などでない場合や標章自動車が専用駐車区間などで違反した場合です
違反として重く捉えられているのは、駐停車禁止の標識がある状態での放置駐車違反です。一時的に駐車するのであれば、運転できるスタッフをもう1人同乗させておき、すぐに発進できるようにするといった工夫をすると良いでしょう。
また官公庁や病院、高齢者福祉施設などの近くでよく見かける「高齢運転者等専用駐車区間」などのように、専用の標章を掲示した車のみが駐車できるスペースに車を止めてしまうと、反則金が上記から2,000円上乗せされてしまうため注意が必要です。 営業車で上記のような駐車違反をしてしまった場合、警察に出頭するのはその時乗車していた従業員です。反則金も基本的にはその従業員が支払います。
警察へ出頭しなかった場合、車の使用者は会社であるとみなされ、企業に支払い責任が生じます。
※出典:警視庁「交通違反の点数一覧表」 、警視庁「反則行為の種別および反則金一覧表」
放置駐車違反をすると、黄色の放置車両確認標章(確認標章)が車のフロントガラスに貼り付けられます。確認標章には、警察署へ出頭するなどして反則金を支払えば車の使用者に放置違反金納付命令は行わないと書かれています。
放置違反金納付命令とは、確認標章が貼られてから30日以内に反則金の納付がなされない場合に行われる措置のことで、自宅に反則金の納付書と弁明通知書が届く仕組みです。納付書が来ても支払いを滞納したままでいると、車検が通らなかったり財産の差し押さえなどの強制措置に踏み切られたりすることもあります。
個人所有の車の場合、警察に出頭せず納付書を待って支払いを済ませれば違反点数の加算を避けられるため、あえて放置違反金納付命令まで反則金を支払わないケースも見受けられます。
ただし、社有車は扱いが異なります。先述のとおり営業車で駐車違反をしてしまった場合、その時の運転手が警察に出頭しなければ車の所有者である会社に対して支払い責任が発生します。会社はその時の運転手に代わって反則金を支払わなければなりませんし、違反点数も会社や車の所有者が加点対象者です。
駐禁をしてしまった際、なんとか会社にバレたくないと考える方もいますが、駐車違反を黙っていても反則金の納付書は車の持ち主である会社に届きます。
また、会社によっては半年や1年に一度、運転記録証明書の提出を求める場合があり、それを見れば交通違反や駐禁などの行政処分記録を知ることができるため、従業員が隠していた違反も会社に見つかってしまいます。黙っていれば、社内でその不誠実さについて追求されてしまうことにもなりかねません。しっかりと会社に報告をして、その上で反則金を誰が支払うか、警察署に出頭はするのかについて相談しましょう。
また会社としても相談窓口などを設置し、従業員が相談しやすい環境を整えることが大切です。
反則金の納付書は、弁明通知書と合わせて送られてきます。駐車違反をしてしまった場合でも、事情を問わず必ず反則金を支払わなければならないというわけではありません。弁明通知書によって言い分が認められれば、反則金を支払う必要はなくなります。
弁明が認められるのは、以下のような理由です。
駐車違反をすれば、反則金を支払う義務が発生します。社有車駐車違反をしてしまった場合、すぐに会社へ報告をして然るべき対応をしましょう。
業務で営業車に乗る際は、ビークルアシストをぜひご利用ください。パイオニア株式会社が提供するクラウド型運行管理サービスのビークルアシストは、車両の管理はもちろん運転時のヒヤリハットや危険挙動を検知・警告することで、事故リスクの低減を目指します。社有車の管理や従業員の安全運転指導でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。