2022年5月17日

  • 社用車・営業車

ドライブレコーダーを営業車に搭載すべき?メリット・デメリットを解説

あおり運転などの危険運転や当て逃げ、対向車との衝突事故など、車の運転にともなうさまざまなリスクからドライバーを守ってくれるのがドライブレコーダーです。 個人はもちろん、車両を運転する社員を守るためにできる限りの対策をとりたいと考える経営者も多いはずです。 とはいえ、ドライブレコーダーにはさまざまな種類や機能があるため、会社にとって必要な機能や社員のプライバシー保護などを考えると、どのようなドライブレコーダーが最適か判断しにくい点も多くあります。 そこで、本記事ではドライブレコーダーの必要性と、ドライブレコーダーを営業車に搭載する際のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

目次

1.なぜ今ドライブレコーダーが必要とされているのか

2.営業車にドライブレコーダーを入れるメリット

2-1事故の際に記録・証拠となる
2-2.事故の防止・削減につながる
2-3.業務を適切に管理できる
2-4コスト削減

3.実際どこまで?ドライブレコーダーでわかること

3-1.事故発生時の状況
3-2.走行中の速度

4.営業車にドライブレコーダーを付けるデメリット

4-1.従業員からの反対意見
4-2.設置、維持費用がかかる

4-3.操作の周知に工数がかかる 

5.まとめ

 

なぜ今ドライブレコーダーが必要とされているのか

2017年に東名高速で発生した「東名高速夫婦死亡事故」をきっかけに、あおり運転などの危険運転から身を守るため、ドライブレコーダーを導入する人が増えています。 また、個人だけでなく社用車を管理する企業においても、ドライブレコーダーの普及率は高くなっています。 

以前は、タクシーやバスなどを運転するドライバーの安全教育の一貫としてドライブレコーダーが活用されていましたが、昨今は危険運転の抑止や事故の証拠を残すための自衛策として取り入れられるケースが中心です。 とくに、事故の当事者同士の証言が食い違うなど、双方の証言だけでは不十分となる場合に、ドライブレコーダーの録画映像を真実の証明に役立てたいと考える人も少なくありません。  

また、ドライブレコーダーには駐車中でも録画ができる機能や、GPSによって時刻や位置を確認できる機能などが備わっているものもあります。 これらの機能を活用して、車上荒らしや車へのいたずらといった駐車中のトラブル防止や、社用車の管理を目的としてドライブレコーダーを導入するケースも増えています。 

 

営業車にドライブレコーダーを入れるメリット

営業車に取り付けるドライブレコーダーの主な機能には、録画機能やGPS機能、音声録音、走行速度の記録、危険運転記録、車両管理などが挙げられます。これらの代表的な機能を用いることで、企業側が得られるメリットについてご紹介します。 

事故の際に記録・証拠となる

社員が営業車を運転中に事故や交通トラブルに遭った際、事故をスムーズに処理するには事故発生時の出来事を詳細に把握することが重要です。 とはいえ、事故や交通トラブルは突発的に起こることがほとんどで、突然の事態にパニックとなり事故前後の状況を正確に証言できる方は少ないでしょう。  ましてや人を巻き込んだ事故ともなると、尚更落ち着いて状況を整理し客観的に証言することは難しくなります。しかし、営業車にドライブレコーダーを設置していれば、事故の際に録画した映像が証拠や記録として役立つメリットがあります。  

ドライブレコーダーは、基本性能として録画機能を搭載しています。録画機能とは、事故や当て逃げなどの交通トラブルに遭った際にその一部始終を録画できる機能です。 ドライブレコーダーが撮影した映像は、事故発生時の状況を詳細に記録するため、事故の客観的証拠として事故処理に役立ちます。また、事故の当事者間の言い分が食い違ったときには、信号機の色や双方の走行スピードなどをドライブレコーダーの映像から確認することができるため、社員に過失がないことを証明するのにも役立ちます。  

もしもドライブレコーダーが設置されていない営業車が事故に遭った場合、事故の証拠となる資料がなければ、最悪のケースとして加害者側から一方的に損害賠償を請求されてしまうこともあります。 そのような事態に発展してしまうと、社員を守れないだけでなく企業の信頼にも大きく影響する可能性があります。運転中の事故はいつ発生するか分かりません。事故が起きてから後悔しないように、万が一に備えてドライブレコーダーを設置しておくことが、社員や企業を守ることにつながります。 

事故の防止・削減につながる

ドライブレコーダーを営業車に取り付けるメリットには、事故を発生を防ぎ社員の安全運転への意識を向上させることも挙げられます。 ドライブレコーダーには、常時録画を行うタイプと衝突や物体を検知して事故時の前後の映像を記録するイベント録画タイプがありますが、法人向けは常時録画タイプが大半を占めています。  

常時録画タイプのドライブレコーダーは、エンジンをかけてからエンジンを停止するまで常に録画が行われてる状態で、走行中は常に映像が記録されています。そのため、管理者に走行中の様子を見られているという意識が社員に働きやすくなり、あおり運転などの危険運転やマナーのない運転の抑止につながります。 また、AIによる顔認証機能によってわき見運転や居眠り運転などの運転中の危険な挙動を検知し記録するドライブレコーダー、特定のドライバーの運転レポートを作成することも可能です。これにより、運転者一人ひとりへの指導を適切に行えるようになります。 

 ドライブレコーダーの設置・活用により、企業単位で安全運転への意識が高まれば、事故の防止や事故件数の削減にも大きな効果が見込めます。 

業務を適切に管理できる

GPS機能が搭載されている通信型のドライブレコーダーなら、正確な位置情報と時刻にもとづいた走行ルートや走行状況を、クラウド経由でいつでもリアルタイムに確認することができます。 走行軌跡および現在位置を管理者がいつでも把握できることで、「現在車はどこを走っているのか?」「走行ルートは適切か?」といったことがすぐに確認ができ、業務を適切に管理することができます。 

また、ドライブレコーダーに記録された走行ルートが業務上非効率なルートだった場合、現状の走行ルートと比較して最適なルートの提案を行うことで、業務の効率化を図ることもできるようになります。 さらに、GPS機能を活用して車両管理システムや勤怠システムなどのソフトウェアとドライブレコーダーを連携させれば、より円滑に業務を遂行させることに役立てられます。 

急を要する仕事が発生した際には、車両の位置情報から現場に近い社員を確認して急行してもらったり、先方におよその到着時刻を事前に伝えたりすることもできるようになるため、得意先からのクレーム対応にも役立つでしょう。  

コスト削減

業務上必要とはいえ、営業車を維持するには車両代に加えガソリン代や保険料とさまざまなコストがかかります。 さらに、万が一営業車が事故を起こした場合は、車の修理費や保険料の負担も増え、会社にとっては大きなマイナスとなります。その点、営業車にドライブレコーダーを導入していれば、社員の安全運転への意識を高めることで事故のリスクを減らし、企業として避けたい事故時の出費も軽減させることができます。 また、走行ルートが確認できるGPS機能付きのドライブレコーダーであれば、効率的なルートを提案することで業務改善を行い、ガソリン代の削減にもつながります。 

 

実際どこまで?ドライブレコーダーでわかること

上記でも解説したとおり、企業がドライブレコーダーを導入するメリットには「事故の記録・証拠」「事故の防止・削減」「業務管理」「コスト削減」が挙げられます。  

では、実際にドライブレコーダーを設置する、どのようなことがわかるのでしょうか。 

事故発生時の状況

ドライブレコーダーでわかることとしてまず挙げられるのが「事故が起きた際の状況」です。ドライブレコーダーには、常時録画タイプと衝撃を検知した際に前後の映像を録画するイベント録画タイプがありますが、どちらも共通して事故が起きた際の映像を記録できます。 また、車両の前方・後方の両方にドライブレコーダーを設置するタイプであれば、事故時に前後の映像を同時に記録することも可能です。 

走行中の速度

次に、加速度センサーが搭載されているドライブレコーダーであれば、走行中の速度もわかるようになります。 走行中の速度が記録されることで、法定速度を超えてスピード出している車があればすぐに確認することができ、安全運転指導に役立てられます。また、加速度センサーが搭載されているドライブレコーダーは、急加速や急停止、急ハンドルなど速度に変化があったときも加速度を記録します。 

これらの記録から、事故を招きかねない危険運転を把握し、個別に該当社員の安全運転指導を行うことも可能になります。また、人工衛星を利用して現在位置と時刻を記録するGPS内蔵型のドライブレコーダーであれば、出発時刻や到着時刻、走行中のルートも記録から確認できます。GPS機能によって車両管理と業務管理が同時に行えるようになり、業務の効率化が図れるようになるでしょう。 

なお、ドライブレコーダーによっては、車内の音声を録音する機能が付いているものもあります。イベント録画タイプであれば事故の前後の音声のみが録音されますが、常時録画タイプは車内の会話内容がすべて記録されてしまうため、ドライバーのなかにはプライバシーが侵害されないかと不安に思ってしまうも多いかもしれません。 そのため、ドライブレコーダーに録音機能が付いている場合は、車内の音声録音について社員のプライバシーを侵害することのないよう、録音機能を切っておくなど適切な対処が管理者には求められます。 

 

営業車にドライブレコーダーを付けるデメリット

営業車にドライブレコーダーを設置するメリットは多くありますが、一方でドライブレコーダーを設置することによるデメリットも存在します。 今後営業車にドライブレコーダーの導入を検討している場合は、メリットだけでなくデメリットにも目を向け、想定されるデメリットに対処する方法も把握しておくとなお安心です。  

従業員からの反対意見

営業車にドライブレコーダーを設置すれば、万が一事故が発生したときに映像が記録できす。社員が事故に遭ったり事故を起こしてしまった場合、ドライブレコーダーが記録した映像や音声があれば、事故の証拠として役立つでしょう。 

しかし、車内の映像や音声を記録することが、必ずしもすべての社員に受け入れられるかといえばそうでもありません。 ドライブレコーダーの導入にあたり、「本人の許可なく走行中の様子を録画・録音するのはプライバシー侵害に当たる」と社員から反対の意見が出ることは少なからずあります。 ですが、あくまでもドライブレコーダーによる営業車の管理は就業時間内のことであって、事故時の全容を把握するためといった正当な理由があれば、ドライブレコーダーの導入は特別問題はありません。 ただし、録画映像や録音された音声を本来の使用目的から外れて利用する場合には、プライバシー侵害だと訴えられてしまうこともあります。 

そのため、ドライブレコーダーを導入する際は、事故防止やドライバーの安全性向上など、あくまでも労務管理の一環として使用する旨を明確に伝え、プライバシー保護の観点では録音機能をオンにするタイミングを事前に周知しておくことなどが大切です。 

設置、維持費用がかかる

ドライブレコーダーを導入するには、本体代金だけでなく設置費用や故障した際のメンテナンス代といった維持費など、さまざまなコストが発生します。 そのため、「ドライブレコーダー=高額なもの」といった印象をもつ経営者も少なくなく、コスト面への懸念がデメリットとなりやすいことが挙げられます。ですが、最近は月額1,000円以下で利用できるドライブレコーダーや、リースとして利用できるドライブレコーダーも増えており、低コストで運用できるサービスも増えています。 

コストを抑えたドライブレコーダーにクラウド経由で利用できる運行管理システムを連携させれば、スムーズな車両管理や業務改善に役立てることもできるでしょう。 

操作の周知に工数がかかる 

ドライブレコーダーは、国内生産のものだけでなく海外から輸入したものなど、さまざまな商品があります。そのため、選んだドライブレコーダーによっては、「一般的な操作方法と異なっていて使い方がわからない」といったことが起こる可能性があります。 操作方法が分からず、誤って録画スイッチを切ってしまったときに事故発生なんてことがあれば、せっかく設置したドライブレコーダーも意味がありません。 そのような事態を招かないための対策としてできることは、多くの社員が入れ替わり使用する営業車において、誰もが操作しやすいドライブレコーダーを選ぶことです。 

シンプルな操作方法で初心者でも扱いやすいドライブレコーダーなら、操作ミスを防ぎ正しくドライブレコーダーを活用できるでしょう。

まとめ

ドライブレコーダーを営業車に設置することで、万が一社員が事故に遭った場合でも記録した映像が事故の証拠として役立ちます。 また、走行記録から危険運転を把握したり、適切な走行ルートを提案したりすることで、業務改善やコスト削減が図れることも、ドライブレコーダーを設置するメリットといえるでしょう。 

一方で、ドライブレコーダーを導入するにあたって想定される懸念点としては、社員のプライバシー保護に関わる点です。しかし、就業時間内の使用で適正な理由があり、またプライバシーに配慮しながら管理されるのであれば問題はありません。とはいえ、後からドライブレコーダー設置への反発が起きないよう、ドライブレコーダー導入の際は事故防止や適切な車両管理のためなどの導入理由を事前に周知しておくべきでしょう