セーフティ・チャレンジ2022春 1位入賞インタビュー(Harvest Biz Career様)

パイオニアはモビリティサービスで社会に貢献すべく、安全運転管理のご支援として毎年「ビークルアシスト セーフティ・チャレンジ」というイベントを4月~5月にかけて開催しています。ビークルアシストのカスタマーサクセスチームが期間中に運転スコア結果をもとにビークルアシストの運用をご支援、最終的には安全運転を達成された企業を表彰いたします。 今回見事1位を獲得されたのは、Harvest Biz Career様。ビークルアシストの危険挙動の通知を活用し、具体的な運転指導を行って社内の啓蒙に尽力されました。

ビークルアシストがスタッフ送迎車の安全な走行をサポート 

株式会社Harvest Biz Career 
取締役会長
小貫 穫 様 

パイオニア株式会社 
常務執行役員
モビリティサービスカンパニーCEO 
細井 智 

 

目次

1.地方拠点におけるスタッフ送迎バスの運行管理に活用

2.危険挙動のデータを用いてドライバーの安全意識を高めている

3.「人の命を預かっている」その意識が好成績につながった 

4.スタッフの勤怠管理など送迎車に役立つ機能にも期待 

 

地方拠点におけるスタッフ送迎バスの運行管理に活用

―はじめに、御社の事業とビークルアシストの活用方法について教えてください 

小貫氏:茨城県つくば市を中心とした茨城県内や、その他の地域で人材派遣を行っています。県内外に10ほどの拠点があり、ビークルアシストは、静岡県富士市にある富士営業所で利用中です。ベトナム人技能実習生を寮から工場まで送迎するマイクロバス1台に導入しています。
もともと、茨城県でマイクロバスや大型バスを使用してスタッフの送迎を行っていて、その流れで富士営業所でも送迎車を運行することになりました。本社のつくばでも遠隔で送迎状況の把握や車両の運行管理を行いたかったため、2020年10月にビークルアシストを導入しました。

―ビークルアシストを導入したマイクロバスは、普段はどのように使用していますか? 

小貫氏:送迎用のマイクロバスは、複数のスタッフ寮から工場へ、朝夕片道25kmの山道を走っています。休みなく稼働している工場なので、送迎が毎日必要です。走行距離は月間3,000kmほどで、現地で採用した3人のドライバーが交代で運転しています。

―スタッフ送迎車として特に役立つビークルアシストの機能はありますか? 

小貫氏GPS機能で位置情報を確認できるのはとても便利ですね。というのも、渋滞などでバスの到着が遅れた際に、待っているスタッフから営業所に連絡が来ることがあります。その時にバスの位置が把握できていれば、あとどのくらいで到着すると説明できるからです 

危険挙動のデータを用いてドライバーの安全意識を高めている

―ビークルアシストを使って運転を振り返り、安全運転管理やドライバーへの指導は行っていますか? 

小貫氏: 富士営業所では、ビークルアシストのデータを分析し、危険挙動が多いなどの気になる点があったら、その都度ドライバーへの指導を行っています。
その中でも我々が特に気を付けているのは、急加速と急減速です。バスに乗るベトナム人の技能実習生は、バイク文化の盛んな国で育ったためか、車に乗り慣れていない人が多いんです。車酔いしやすかったり、スピードを出すと怖がったりする人も少なくありません。そこで、ドライバーには穏やかな運転を心掛けるように伝えています。 

―バイク移動が盛んな国の方が車に乗り慣れておらず、車酔いしやすいというのは、今まで意識して考えたことがありませんでした。そうすると乗客が車酔いしやすい点には特に配慮して運転されているんですね万が一事故が発生した場合など、危険運転に対する指導は行っていますか? 

小貫氏:以前、実習生を送り届けた後の車両が出合い頭の事故を起こしたことがありました。実習生が乗車していなかったのが不幸中の幸いですが、事故原因を究明し、安全運転に注意するようにと厳しく指導をしました。
当時、急加速など危険挙動が発生したことを知らせるメールが、本社の私のほうにも結構届いていたんです。危険挙動が多いことをドライバーに伝え、人を乗せていることを改めて認識し、安全運転の意識を高く持ってほしいと話しました。それ以降、危険挙動のメールが少なくなり、急加速に関しては50ほど減りましたね。 

イベント通知メール(ビークルアシストの機能名)を活用し急加速が減少した良い例ですね。普段から安全運転の社内啓蒙活動には取り組んでいるのでしょうか?

小貫氏:本社のある茨城県でもスタッフを送迎していますので、安全運転の啓蒙は全社に向けて行っています。送迎車に乗ったスタッフから「スピードを出し過ぎて怖い」といった意見が寄せられることがあったら、社内で使用しているチャットツールで情報を共有し、その車両を運転していたドライバーには直接注意をするようにしています。 

社内啓蒙により運転の質は改善しましたか? 

小貫氏:ドライバーの意識は、確実に変わってきていますね。加えて、アルコールチェックをいち早く導入したことも、安全運転の指導に生きていると思っています。2022年から白ナンバー車のアルコールチェックが義務化されると報道にも出ていましたが、当社はずっと前からアルコールチェックの導入を独自に進めていました。今では乗車前と乗車後に欠かさずアルコールチェックを行っています 

「人の命を預かっている」その意識が好成績につながった

―セーフティチャレンジで48社中1位という大変素晴らしい成績を収められました。率直な感想をお聞かせください。 

小貫氏:今回は、当社のドライバーの運転の質がどのくらいなのか、他企業との比較が全く見当つかない中での参加でしたので、1位と聞いて率直に驚きました。運送業者さんのように日頃から安全運転管理を徹底されている企業さん達も参加されている中での1位でしたので、なおさら驚いています。
ただ良い結果を残せたこと自体は大変誇りに思いますし、今回のイベントが安全運転を心がけ事故を未然に防ごうという意識を更に強くしてくれたのは間違いありません今後も安全運転に努めたいと思います。 

―期間中の危険挙動(急加速・急減速・急ハンドル・速度超過)を振り返りますと、発生頻度が非常に少なく満点でした。さらに、4月に至っては発生件数がゼロという素晴らしい結果です。危険挙動を減らすため、どのようなことを心掛けていましたか?

小貫氏:ドライバーは皆ベテランですが、日頃から安全運転の指導を行ってきたことに加え「人を乗せていることを強く意識し、乗っている人が不快にならない運転を心掛けてほしい」と何度も伝えています。
またこれは具体的な話になりますが、「赤信号や停車する際は停止地点から電信柱2本分(約60m)手前を目安に減速を意識すること」を常々話をしています。 

―「電信柱2本分を目安にする」というのは具体的かつ実行しやすいアドバイスですね ただ闇雲に急ブレーキに気を付けましょうと言われても、人それぞれ急ブレーキのさじ加減が異なるので実際の運転では個人差が出てしまう定量的に伝えてあげると個人の主観が入らず、安全運転の質が均一化されやすいのではないでしょうか。特にドライバーが複数いる場合は効果的だと思います 

小貫氏:はい。そういったドライバー共通の認識が功を奏し、危険挙動が減ったのではないかと思っています。もちろん先ほどもお話ししたように、車に不慣れなベトナム人実習生に対する思いやりのある運転が、結果として安全運転にも繋がっていると思っています
また、ビークルアシストで管理されていること自体がドライバーの意識にも影響し、危険運転の抑止に一役買っていると思いますね

―加点要素の「ふんわりアクセル」や「早めのアクセルオフ」の割合が高かったことも高得点の要因でしたドライバーさんには日頃から意識するよう伝えていたのでしょうか? 

小貫氏:先ほどの電信柱2本分を意識した先読み運転は、停車時だけでなく、走行時にも有効だと伝えています。具体的には前方車との車間距離を、電信柱2本分空けるよう話しています。
急発進や急ブレーキが無くなるとエコ運転になって燃費向上にも繋がり一石二鳥ですよね乗客に配慮した余裕のある運転に加えて、このようなエコ運転が高得点に繋がったのだと思います。

 

スタッフの勤怠管理など送迎車に役立つ機能にも期待

―ビークルアシストを今後どのように活用していきますか? 

小貫氏:引き続き、富士市で運行する送迎車の管理に役立てます。加えて、今後は仙台など別の地域の営業所にも技能実習生を派遣し、送迎車両が必要になる予定です。そちらでもビークルアシストを導入しようと考えています。 

―今後ビークルアシストに期待する機能などはありますか? 

小貫氏:実習生の勤怠管理ができるような機能があれば便利だなと思います。現状、富士市の送迎車は1台のみで、誰が車に乗っているのか把握しやすい状況です。今後、スタッフの人数が増えて複数の車に分けて送迎することになった時、勤怠状況の把握が難しくなることが予想されます。例えば、顔認証機能の付いたカメラなどで、どの車に誰が乗ったのかが分かれば、勤怠管理が効率化できるでしょう。カメラに体温を計測できる機能もあれば、検温の手間も省けますよね。
また、現状は前方カメラのみ搭載していますが、360カメラがあれば左右と後方も映せるので万が一の時に安心ですよね。今よりもさらに安全性を高められるのではと期待しています。 

―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。
乗客の体調と安全に配慮した「人にやさしい運転と、エコ運転に結び付くふんわりアクセル・早めのアクセルオフを両方徹底されていて納得の高得点でした。
今後ともぜひ安全運転に努めていただけたらと思います。 

改めて48社中1位という素晴らしい成績、おめでとうございます!