新型コロナウイルスの影響により、通販などで買い物を済ませる人が増え、物流業界に大きな変化が起きています。配送量の増加により、以前にも増して従業員1人ひとりへの負担が増加しているのではないでしょうか。このような物流業界の負担を低減するために、DX を活用した効率化についてご紹介いたします。
・ 人員不足
・ 従業員の過酷な労働環境
・ 小口配送の急激な増加と複雑化
・ 配送のスピード化
① 在庫管理システムで倉庫業務負担を低減
② 顧客情報の蓄積と分析による再配達リスクの低減
③ 従業員の勤務状況の把握と管理工数の削減
近年、さまざまな業界において業務を効率化する取り組みとしてデジタルトランスフォーメーション( DX )といった言葉を耳にするようになりました。 DX とは IT・デジタルの活用によりサービスやビジネスモデルなどを変革することを指します。
多くの業界で DX が導入されており、業務効率化に成功しています。しかし、物流業界においては他の業界に比べると、残念ながら DX の推進にやや遅れが見られるのが現状です。この状況を打破し、業務を効率化するためにも、どのような取り組みが必要なのかをご紹介します。
物流業界が DX に取り組む必要性にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下では、物流業界における現状の課題についてご説明します。
物流業界は、慢性的に人手不足の状態が続いています。国土交通省の「トラック運送業の現状等について」によると平成 30 年 4 月の物流・運送業の有効求人倍率は 2.68 倍となっており、全業種が 1.35 倍である中、非常に高い数値となっています。人員の定着や新たな雇用の確保が難しいほか、労働環境が改善されないなどが理由として考えられます。出典:国土交通省「トラック運送業の現状等について」(https://www.mlit.go.jp/common/001242557.pdf)
新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などの影響から、小口配送が急増しています。
一つの配送先に対して少量の荷物を配送する小口配送の増加は、従業員にとって大きな負担となり、さらに配送量の増加は、管理業務に費やすコストや手間、配送ルートのプランニングもより詳細に行う必要があるため、高度な業務効率化が求められています。
同業他社との差別化を図るために、配送スピードの向上が求められていることも課題として挙げられます。配送スピードを上げるためには、人員を増やすなどの方法だけではなく、倉庫システムの効率化や配送ルートの最適化も重要となります。
従業員不足や配送のスピード化、小口配送の急増、それに伴う物流の複雑化などにより、物流従事者の労働環境は深刻な状態となっているのが現状です。
ここまで物流業界が抱える課題についてご説明をしてきました。本章では解決するために取り組む DX で押さえるべきポイントを 3つご紹介いたします。
配送量の増加に対し、従業員を増やさずに従業員1人ひとりの負担を軽減するためには、効率的な仕組みづくりが求められます。これを実現するにはまず、有効な在庫管理システムを構築し、在庫管理の適正化による倉庫業務の効率化が重要です。
国土交通省の「宅配便の再配達削減に向けて」によると、個人利用者全体の取扱個数のうち、約2割が再配達の対象となっています。再配達による時間のロスや手間は、取扱個数の増加と共に大きくなっています。
この様な状況を改善するためには、顧客情報の管理が重要となります。顧客の利用データを分析し、在宅の可能性が高い時間帯を予測することで再配達を減らし、従業員の手間や時間のロスを低減することができます。
出典:国土交通省「宅配便の再配達削減に向けて」
(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/re_delivery_reduce.html)
物流業界は24時間稼働していることから、従業員の勤務状況を把握するのは容易ではありません。そこで、GPSを利用した営業車両の位置情報を管理できる動態管理システムの導入が効果的です。システムの利用により、実際の配送ルートやドライバー間でのエリアの重複などの無駄を把握することができます。さらに管理者は、分析データからより効率的なルートをドライバーに提供し工数を軽減することで、他の重要な業務にリソースを割り振れるようになり、作業効率の向上につながります。
物流業界は、配送量の増加や再配達、従業員の勤務状況などの管理にかかる負担など、さまざまな問題を抱えています。また長時間運転が原因で事故を起こすニュースも散見されることからも、長時間労働是正などドライバーの安全確保は、物流業界として取り組むべき重要な課題といえるのではないでしょうか。DXへ取り組むことで、これらの課題を解消することができます。
中でもPioneerのビークルアシストを活用することで、物流業界にみられる人手不足に対し、効果的なアプローチが可能となります。ビークルアシストは配送ルートの最適化、指示、管理が可能なため、これまでかかっていた無駄な手間が削減可能です。業務効率化を進めるだけでなく、ドライバーの挙動やあおり運転などリスクのある情報を取得した際にAIの判定により可視化し、警告する機能などが搭載されているため、ドライバーの過労が原因となる事故やトラブルなどの防止にもつながります。