事故削減のためビークルアシストを導入。映像記録を活用し社員を守る
目次
事故削減が「ビークルアシスト」導入の大きな目的
映像録画機能の充実が、導入の決め手に
映像記録を残すことは、有事の際に社員を守ることにもつながる
事業拡大期だからこそ、安全運転にコストをかける
コンプライアンス意識の高まりが事故削減の原動力に
「ビークルアシスト」の日報自動作成機能に期待
ドライバーの運行状況の「見える化」で、働く環境の向上を
クラウド型運行管理サービス「ビークルアシスト(Vehicle Assist)」導入の事例。今回は不動産業や建設業などを営む、アイダ設計の活用例をご紹介します。
全国に92店舗もの事業所を持つアイダ設計は、2021年8月から約270台の社用車への「ビークルアシスト」導入を目標に、搭載台数を毎月定期的に増やしています。最初の導入から約1年が経過し、現在約100台の導入が完了している今、どのようなメリットを実感しているのでしょうか。
アイダ設計管理本部、総務部総務課の内田淳史さんにお話しをうかがいました。
事故削減が「ビークルアシスト」導入の大きな目的
どのような経緯で「ビークルアシスト」を導入されたのですか。
「第一の目的は事故削減です。そのために様々なドライブレコーダーや運行管理サービスを比較検討したうえで、『ビークルアシスト』を選択しました。
アイダ設計では特に建設関係の部署に事故が多いので、建設に関わる車から段階的に導入を進めていて、今は100台ほどに『ビークルアシスト』が付いている状況です」(内田さん)
建設関係の部署では、安全面でどういう課題があったのでしょうか。また事故件数についても、教えてください。
「事故件数については具体的には申し上げられませんが、自動車保険の保険料の割引率が最低になるような状況でした。実は今、コロナ禍で住宅の需要が増えて建設現場が非常に忙しく、長時間労働になりがちな実状があります。疲労の蓄積による不注意が原因の事故の増加が、深刻な状況でした。
そこで当初は位置把握や、1日の走行距離を調べて日報代わりにするGPS機器を取り付けてみたのですが、位置情報だけだと機能が足りませんでしたね。そこで多機能なクラウド型運行管理サービスの『ビークルアシスト』を導入したのです」(内田さん)
映像録画機能の充実が、導入の決め手に
数ある運行管理システムのなかで、「ビークルアシスト」を導入する決め手になったのは、どういった機能ですか?
「映像を残す機能です。事故を起こした際に『事故の前は何をしていたのか』というところも詳しく知りたいものです。『ビークルアシスト』なら、道路状況を映す外側のカメラだけでなく、車内のドライバーの様子を映すカメラもあり、そこがポイントでした。価格面を考えあわせたうえでもコストパフォーマンスが高く、メリットがあるという判断です。
実際に映像を確認してみると、ドライバーが携帯で話していたり、よそ見をしていたりという事実が確認されたので、所属部署の上長から注意をしています。
以前は映像がなかったので、事故再発を防止する教育が難しかったのですが、実際の映像を見せながら話すと、指導がしやすいですね」(内田さん)
現場のドライバーさんの反応はいかがでしょうか。
「『ビークルアシスト』設置についての反発は特にありません。事故が多いことは以前から注意喚起されていたので、事故削減のために必要なことと認識していると思います」(内田さん)
危険挙動の映像を確認できるウェブビューア。地図上で発生場所を確認したり、グラフで加速度を確認することも可能です。
映像記録を残すことは、有事の際に社員を守ることにもつながる
最初に「ビークルアシスト」の設置を行った時からもうすぐ1年が経ちます。設置台数も順調に増えていますが、具体的な成果はありますか。
「導入して分かったことは、『ビークルアシスト』で映像記録を撮ることは、ドライバーである社員を知り、守ることにもつながるということです。実際にあった例ですが、会社の代表メールにアイダ設計の社員が危険運転をしているというクレームが来たことがありました。優先を無視して飛び出してきたという内容です。社用車にアイダ設計のロゴが入っているので、こういったお叱りのメールを時々いただきます。
以前は本人にヒアリングすることしかできなかったのですが、『ビークルアシスト』があれば、指摘された当時の映像を確認することができます。実際にそのケースでは、社員が危険運転をしているという事実はありませんでした」(内田さん)
「ビークルアシスト」には軌跡点映像取得*という、走行軌跡から任意の軌跡点における映像を後から取得できる機能があります。クレームが来た時に、ナンバープレートやドライバー名、発生時間、場所などの要素が分かれば、該当の映像を後から探し出すことができます。
「そうですね。クレームのメールに発生時間とナンバープレートの番号を書いていただいていたので、容易に映像を探せました。
またその時は夜道のT字路だったのですが、ドライバーの挙動に加えて相手の方の運転の様子なども、映像が非常にクリアに映っているので判断しやすかったです。
幸いそれ以上のトラブルに発展することはなかったのですが、いざという時のために映像を持っていることは、事実関係を明らかにするうえで大切だと実感しました。運転に問題がなければ、社員の運転に関する評価を不当に下げてしまうことも、避けられます。
またドライバーのなかには新入社員や女性社員もいて、あおり運転などの怖い目に遭うとトラウマになってしまう場合もあります。運転をしている社員に寄り添うためにも、運転状況を把握することは重要ですね」(内田さん)
それが「社員の方を知り、守ることにもつながる」というわけですね。
「逆に映像を確認したらクレームのご指摘通り、弊社の社員の運転に問題があることもあります。
その場合も運転の状況のみならず、ドライバーの挙動を目線や表情まで詳細に確認することができるので、問題点の解明に役立ちます」(内田さん)
*TMX-DM03A-VA、TMX-DM04-VA、TMX-DH500の3シリーズに実装されている機能です。ビークルアシストログプラス、ビュープランが対応しています。
事業拡大期だからこそ、安全運転にコストをかける
事故削減のために、行っている独自の施策があれば教えてください。
「1年ほど前から、事故削減のための意識改革を目標に、役員と関係各部署の役職者が集まる『事故対策会議』を行っています。
そこでは保険部から、月々の事故件数と事故のレベルが発表されます。レベルというのは事故の内容によるもので、ドライバーに非がない軽度なものですとレベル0、人身事故のような重度のものですと事故の内容によりレベル5から7といった形で、7段階に設定されています。例えば縁石に乗り上げたり、曲がった時に擦ったりするケースはレベル2相当になります。
そしてレベルの数値がある一定まで行くと、教習所の講習を受けてもらったり、もっとレベルが上がってしまった場合は運転の資格を一回取り上げた後で、上長と運転の適性判断の面談、教習所の講習を受けてもらわないと仕事に復帰できないシステムになっています。
実際はそこまでレベルが高くなった社員はいないのですが、そういった段階を踏むことが決まっています」
独自のペナルティを設定されているのですね。
「ペナルティだけでなく、今年から新入社員の研修項目に、車の運転を加えました。会社の施設のなかに運転コースを作って、運転免許を持っている新人全員に講習を行います。
そのうえで運転技術を採点した結果を、配属部署に知らせているのです。講師は私を含めた管理部門の人間です。私たちが教習所で講習を受けて、その経験を元に指導にあたっています」(内田さん)
コンプライアンス意識の高まりが事故削減の原動力に
事故削減に対する意識の高さを感じますが、理由はあるのでしょうか。
「ひとつにはアイダ設計は2021年6月に東京証券取引所である東京プロマーケットに上場しました。それを機会にコンプライアンスに力を入れているので、今までよりいっそう安全運転に意識的になっています。社用車にアイダ設計のロゴが入っているので、社用車の運転は会社のイメージに直結するのです。
また現在建設部門が非常に忙しいこともあり、忙しさで事故が起こらないように注視する必要に迫られています。コロナ禍の巣ごもり需要で、住宅に対する関心が高まり、ありがたいことに受注量が増えました。一方で、コロナやウクライナ情勢などの社会的要因により流通が滞り、資材が手に入り難くなっています。様々な条件が絡み合って、お客様のニーズにお応えするために、現状では建設部門の労働が過重になってしまう傾向があります」(内田さん)
企業が成長する際の、環境の変化に対応するためにも、安全運転を支援するツールが必要だったということですね。
「業績が伸びている時期だからこそ、しっかりと予算を付けて設備を整え、安全運転の実現に取り組んでいくつもりです」(内田さん)
「ビークルアシスト」の日報自動作成機能に期待
安全運転の推進以外では、「ビークルアシスト」をどのように活用しているのでしょうか。車両管理業務などには活用されていますか?
「現在はまだそこまで活用できていないのですが、次に活用するのは日報の自動作成機能かなと考えています。
現在は、日報の管理を紙ベースで行っており『出発する時は走行距離が何キロで、終わった時には何キロになっていました』という内容を、いちいち提出してもらって確認するのが、ドライバーにも管理側にも負担になっています」(内田さん)
2022年から白ナンバー車でアルコールチェックが義務化されることもあり、より詳細な日報管理が求められますね。
「アルコール検知器の供給が間に合わない状況だと、ニュースで報じられていますね。アイダ設計では9月に必要分のアルコール検知器を入手できる予定ですが、運用については検討を進めているところです。
『ビークルアシスト』の管理画面にもアルコールチェックの項目が増えていました。そういった日報管理の活用もできるなら、便利ですね。
ドライバーの過重労働が危険運転につながりますので、日報のデータを元にした環境改善にも取り組まなければなりません。効率的に詳細なデータが取れれば、助かります」(内田さん)
ドライバーの運行状況の「見える化」で、働く環境の向上を
92店舗も事業所があると、社員の業務把握に大きな労力を要することと思います。
「拠点拡大により新しくオープンした事業所も多いので、来年からは新卒採用の枠も2倍に増やす予定です。
今後人が増えていくなかで、安全運転の推進と、ドライバーの働く環境の向上に『ビークルアシスト』を役立てていきたいと、考えています。
アイダ設計は品質管理の国際規格である『ISO9001』の取得企業です。顧客満足度向上を目標として掲げているわけですが、それならば、併せて従業員の満足度も上げなければならないという、社内的な考えも持っています。
総務部を中心に福利厚生などを充実させているところですが、従業員の働く環境向上のためにも、『ビークルアシスト』のデータを活用していきたいですね」(内田さん)
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アイダ設計の内田さんが指摘するように、業務中の安全運転の実現は、個人の意識の向上と、労働環境の適正化の、両輪で達成できるものです。
「ビークルアシスト」は、映像による危険挙動の可視化や、安全運転支援レポートの送付を始めとした詳細なフィードバックにより、安全運転の推進をサポートします。また取得した映像、地図情報、数値による多角的なデータは、事故防止だけでなく、業務管理にも役立てていただけます。