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業務中の事故の対応はどうすれば?報告書の書き方を解説

業務中に発生した事故は、どの会社でも、報告書にまとめて提出する必要があるでしょう。いつ、どこで、どのような事故が起きて、どうやって解決したのかなど、経緯と結果を報告します。しかし「事故報告書を書く機会なんて頻繁に起こらないので、書き方がわからない」という人も多いでしょう。まずは人身事故が起こるケースや、事故の責任と対応について確認してから、報告書の書き方を参考にしてみてください。また、再発防止の対策も紹介します。

目次

1.人身事故が起こるケース

1-1.業務中の事故
1-2.業務時間外の事故

2.社用車での事故の責任と対応

2-1.使用者責任
2-2.運行供用者責任
2-3.会社と従業員の責任割合は?
2-4.事故発生時は救護活動や会社への報告を忘れずに

3.事故の報告書とは?

3-1.報告書の役割
3-2.原因と発生状況
3-3.実際の被害状況
3-4.事故の対応策
3-5.事故の反省点

4.報告書を書くときのポイント・注意点

4-1.一般的な形式
4-2.事実を時系列に沿って記述する
4-3.原因不明のことは「調査中」とする
4-4.再発防止策の考慮や社内調査を行う
4-5.事故の様子を思い出せない時の対処法

5.再発防止のための代表的対策

5-1.社内で交通安全研修の開催
5-2.ドライブレコーダーの設置
5-3.車両管理システムの導入

6.まとめ

 

人身事故が起こるケース

まずは人身事故が起こるケースから確認していきます。業務中の事故か、業務時間外の事故なのかによって、責任を負う対象が変わるので注意してください。 

業務中の事故

業務中の事故、つまり、会社が保有している車に乗っていて事故が起きた場合、会社に使用者責任が発生します。さらに、車が会社名義になっているので、会社は運行供用者責任も発生してしまいます。注意点としては、会社だけではなく、事故を起こした従業員本人にも責任が発生してしまう点です。会社がすべて対処してくれるわけではありません。 

業務時間外の事故

問題は業務時間外の事故です。業務時間外に会社が保有している車で事故を起こした場合、会社に運行供用者責任が発生します。もっとも、従業員が無断でなおかつ私的に会社の車を使った場合などは、会社の利益につながらない行動と見なされるので、運行供用者責任は発生しません。また、業務時間外での事故であるため、使用者責任が発生しなくなります。使用者責任は業務中に不法行為をしたことが条件になるためです。当然従業員にも責任は発生します。ちなみに通勤中の事故は業務との連続性が認められるので、使用者責任や運行供用者責任が会社に発生します。しかし、通勤ルートを使って帰宅している際は、業務との連続性があるかどうか具体的に判断してから決定されるので、責任が発生しない可能性もあります

関連記事:4月以降、新入社員の事故が不安…効果的な事故防止対策とは |お役立ち情報|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)

社用車での事故の責任と対応

「使用者責任」「運行供用者責任」という言葉は聞いたことがあっても、具体的な内容をイメージしにくい人もいるでしょう。ここでは、使用者責任と運行供用者責任についてわかりやすく解説します。 

使用者責任

使用者責任は会社が雇っている従業員が不法行為を起こして相手に損害を与えた際に使用者が本人と連携して責任を負うものです。使用者とは、会社を指します。交通事故は不法行為に該当するため、使用者責任が発生します。業務の執行に関連した場合に、使用者責任が適用されます。例外もあり、使用者が従業員に対して相当の注意をしていた時、相当の注意をしても損害が生ずべきである場合は「この限りではない」と判断されます。
しかし、実際に裁判になると使用者が免責されるケースはほとんどありません。というのも「利益を上げる上でのリスクは会社が負担するべき」だと考えられているためです。また、会社の車を無断で使用した場合は業務ではありません。しかし、第三者の視点からすると「業務上運転している」と判断されるため、業務に連続性があるとジャッジされます。したがって、会社としては不本意ですが、使用者責任は幅広く認められてしまう場合があるので対策が必要です。 

運行供用者責任

運行提供者責任は、自賠法に「自己のために自動車を運行の用に供する者」と表現されています。わかりにくいですが「自動車の運行を支配して利益を得ている者」と解釈しましょう。会社としては、自動車を「支配」して「利益を得ている」ので、運行提供者責任に該当します。使用者責任と似ていますが、運行提供者責任は「人」に関するものです。人身事故によって人の身体や命が傷付いた場合に適用される責任であるため、物損の場合は適用されません。物損の場合は使用者責任になります。
ちなみに「事故と運転者が自動車の運行に関して注意をしていた」「被害者か運転者以外の第三者に過失があった」「自動車の構造に欠陥、機能の障害がなかった」の3つを立証できれば、人身事故であっても運行提供者責任が免罪になる可能性があります。
しかし、3つを立証するのは非常に困難であり、無過失責任に近いと考えられています。 

会社と従業員の責任割合は?

会社と連携して責任を負うといいましたが、双方が100%の責任を負う意味です。つまり、会社と従業員で100%ずつ責任を負います。さらに、被害者は会社と従業員の両方に全額の支払い請求が可能で、会社と従業員の負担割合については話し合いで決定します。

事故発生時は救護活動や会社への報告を忘れずに

事故が発生した場合、まずは車を停車させて降車し、被害者の救護を行います。応急処置ができたらすぐに救急車を呼んで、被害者を助けましょう。次に、事故現場であることを他のドライバーに知らせなくてはならないので、三角掲示板を置いて後続車に注意喚起をします。事故が発生した場合、警察に連絡しなければならないので警察も呼びましょう。
警察への連絡が終わったら、会社に連絡して報告をします。会社と今後の対応について相談しなければなりませんし、報告書を書くにしてもまずは口頭で事故が発生した旨を伝えるのが優先です。 

事故の報告書とは?

社会人になるとさまざまな報告書を提出しなければなりません。事故の報告書も1つであり、事故を起こした場合に書かなければならない書類です。報告書は順序だてて、対応を記載していきます。 

報告書の役割

事故の報告書は「どんな事故が起きたのか」を伝える役割があります。時系列に沿って書いていく必要があるので、個人的な意見を加えてはなりません。また、事故の再発防止につなげる必要もあります。原因と発生状況、実際の被害状況、対応策は最低でも必要です。 

原因と発生状況

どんな事故が起きたのかを記述します。どこでどのような事故が起きたのかを書きましょう。そして、事故が起きた原因についても記述しなければなりません。しかし、記述するのは明確な原因だけにしましょう。というのも、事故の内容によっては原因が複数存在する場合もあるためです。その他の要素については「調査中」と記述しておきましょう。 

実際の被害状況

次に被害状況を報告します。ケガ人が出たのか、車以外の物損はあったかなど被害の状況を詳しく書きます。損害に関する正確な金額がわかれば、被害状況に記載しましょう。治療費も被害状況に含んでしまってOKです。 

事故の対応策 

対応策とは、どうやって事故を解決させたのかを記述します。とはいえ、事故が起きてすぐの場合だと解決策がないケースもあるので、場合によっては状況だけを記載しておく必要があります。「相手は現在治療中」などと記載しましょう。また、再発防止策についても記述しておかなければなりません。今後同じような事故を再発させないために必要です。
しかし「運転中は常に安全運転を心がける」といった、対策をとっているようで行動を起こしていない内容であれば、上辺だけの対策だと思われてしまう恐れもあります。車のメンテナンスや設備の見直しなど、具体的な対策を記載してください。 

事故の反省点

最後に事故の反省点を記述します。「時間に遅れそうで、焦ってしまった」などの記載で問題ありません

報告書を書くときのポイント・注意点

報告書を書く時のポイントや注意点を紹介します。 

一般的な形式

まず報告書ですが、基本的には手書きで書くようにしましょう。しかし、たとえば事故が発生した状況などを説明するために図を作る場合などはパソコンを使う場合もあります。本文は手書きするのが正式な報告書となります。会社によってはパソコンで報告書を作成してもよい場合がありますが。パソコンで作成する場合でも氏名の部分は手書きで書くように空白にしておきましょう。 

事実を時系列に沿って記述する

報告書には時系列に沿って事実を記述しましょう。個人的な意見や私情を挟まず、責任転換やいい訳を彷彿とさせる表現は避けるべきです。報告書は「どのような事故が起きたのか」を伝えるのが目的なので、内容によっては懲罰の対象となる内容でも記載しなくてはなりません。正確に記載すれば事故防止にもつなげられます。
また、時系列に沿って事実を記載する際は、箇条書きでまとめるようにしてください。時系列に沿って書かないと、第三者が根本的な原因を推測できませんし、事故が起こった原因を理解できないためです。箇条書きにすると読みやすく、時系列ごとに反省点が見つけられるので、原因と反省もわかりやすくなります。 

原因不明のことは「調査中」とする

事故が起きた後、報告書を書く時点では不確かな原因がある場合もあります。原因不明な場合は推測で記載せずに「調査中」と書いておきましょう。報告書はありのままの事実を記載しなければならないので、原因不明な点は書かないようにしてください。 

再発防止策の考慮や社内調査を行う

再発防止策もきちんと記述しましょう。また、業務中の事故は車だけとは限りません。介護患者に対して起こった事故や、工場の製造ラインで起こった事故なども考えられます。社内での事故の場合は、充分な社内調査を行わなければなりません。また、できるだけ速やかに事実とないおようについての報告書を提出しましょう。 

事故の様子を思い出せない時の対処法

事故を起こしてしまうとパニックになってしまうので事故の状況を思い出せない場合があります。ドライブレコーダーがあれば簡単に思い出せますが、設置していない場合は映像が確認できません。しかし、同乗者や目撃者から話を聞くことができれば、自分では気付かなかった新しい要素を発見できるかもしれないので、話を聞いてみるのも対処法の1つです。
また、事故現場周辺にあるコンビニなどの防犯カメラでは、映像が残っている可能性があります。コンビニに交渉して、防犯カメラの映像を見せてもらえるかどうか交渉してみてください。万が一断られてしまった場合でも、弁護士や保険会社を通せば見せてくれるかもしれません。防犯カメラの映像を確かめられれば、新しい事実を発見できるかもしれないので、試してみてください 

再発防止のための代表的対策

事故の再発を防止するための対策を紹介します。 

社内で交通安全研修の開催

社内で交通安全研修を開催してみましょう。自動車学校は企業向けの交通安全講習を行っているので、車の運転をしなければならない従業員に受けてもらってみてください。また、社内で運転適性検査を行えば、運転に向いている人と不向きな人の判断ができるので、運転に向かない従業員には運転以外の仕事をしてもらうなどの対策ができます。さらに、無事故無違反の実績を積み上げた従業員には表彰をするなどの制度を導入すれば、運転スキルの向上とともに、従業員のモチベーションアップも期待できます。事故が起きてからでは遅いので、時間がある時に交通安全研修を開催してみてください。

ドライブレコーダーの設置

ドライブレコーダーを設置しておくと、事故が起きた様子を録画しておけるので必ず設置しましょう。さきほどもお伝えしたとおり、事故を起こしてしまうとパニックになってしまって、事故の様子を思い出せなくなってしまうことがあります。また、普段はしない行動も取るかもしれません。事故後の報告書をきちんと提出してもらうためにも、ドライブレコーダーを設置して運転中の様子を録画しておきましょう。また、ドライブレコーダーをチェックすれば、運転に関する癖を見つけられます。車線をはみ出してしまいがちな癖や、スピードを出しすぎてしまう癖など、各従業員が持っている癖を見つけられると、一人ひとりに対して適切な安全運転指導ができます。
さらに、ドライブレコーダーには「安全運転支援機能」があり、よそ見運転や脇見運転をした場合などに、警告音を鳴らして注意喚起してくれる製品もあります。必然的に運転が上手になるので、安全運転支援機能が搭載されたドライブレコーダーを検討してみてはいかがでしょうか。事故後の様子を正確に把握するためだけではなく、運転スキルを向上させる意味でもドライブレコーダーを設置しましょう。 

車両管理システムの導入

車両管理システムも事故を防ぐツールとして有効です。車の位置情報から従業員の位置をリアルタイムで確認でき、記録された走行速度から安全運転の注意喚起を行うことも可能です。最適なルートを作ってくれる機能も搭載されているので、ルート営業やトラックの配送にも役立ちますし、万が一事故が起こりそうな時にはアラートを鳴らして注意喚起してくれる機能もあります。管理者としても一括で管理ができるようになるので、会社全体で業務の効率化が図れるのがメリットです

まとめ

業務中の事故は日常的に発生するものではありませんから、事故後の対応に悩んでしまっても仕方ありません。しかし、あらかじめ事故後の対応を知っておくと、後から落ち着いて対処ができるようになります。事故が発生すると慌ててしまうこともあるかもしれませんが、まずは落ち着き、会社への報告と報告書の作成方法を忘れないようにして、仕事を行いましょう。 

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