• アルコールチェック義務化

アルコールチェッカーの使い方は?種類や選び方も紹介!

業務で車を運転する場合、アルコールチェックは欠かせません。近年では気軽に測定できるアルコールチェッカーも増えてきており、導入を考えている方も多いでしょう。 しかしアルコールチェッカーには数多くの種類があり、機能や精度もさまざまです。個人での使用ならまだしも、多数の従業員が所属する企業では選定の作業もひと苦労です。 そこで本記事では、アルコールチェッカーの種類や選び方についてお伝えします。使い方も詳しく解説しているので、アルコールチェックの義務化を前に正しい知識を身に着けておきましょう。

目次

警察庁は2023年6月8日、「白ナンバー」の車を使う事業者に対するアルコール検知器によるドライバーの飲酒検査を12月1日から義務化するとの方針を明らかにしました。それに関連し、2023年6月9日から同年7月8日までパブリックコメントを募集しています。

(この経緯について、詳しくは【2023年6月最新情報】アルコール検知器を用いた酒気帯び確認の義務化は2023年12月か。パブリックコメントの募集が開始されるもご参照ください)

 

1.アルコールチェッカーはどんなもの?

1-1.アルコールチェッカーの使用用途
1-2.アルコールチェッカーの種類

2.アルコールチェッカーの使い方

2-1.アルコールチェッカーを使うタイミング
2-2.アルコールチェッカーの測定方法

3.アルコールチェッカーの選び方

3-1.タイプで選ぶ
3-2.測定の精度で選ぶ
3-3.機能の多さや種類で選ぶ

4.アルコールチェッカーの注意点

4-1.アルコールが検出されやすい食べ物・飲み物とは?
4-2.アルコールチェッカーには使用期限がある

5.測定だけでなく記録も必要

5-1.運行管理業務などではデータ記録が義務付けされている
5-2.アルコールチェックで記録する内容

6.まとめ

 

アルコールチェッカーはどんなもの?

アルコールチェッカーとは、息を吹きかけるだけで体内の残留アルコール濃度を数値化してくれる便利な機器です。

一般的に体内のアルコール濃度を測定する方法として「血液採取」と「呼気採取」が挙げられますが、業務用では息でアルコール値を測定する「呼気採取」が用いられることがほとんどです。

アルコールチェッカーは、見た目の様子からだけではわからない微量の飲酒も検知できます。前日の接種した酒が残っているかどうかも確かめられるため、安全に運転業務を行うにあたって欠かせないものといえます。

アルコールチェッカーの使用用途

主な用途として、業務で運転をする方が運転前後のチェックと記録のための使用が挙げられます。道路交通法の改正により、有償で荷物や人を運ぶ緑ナンバーだけでなく、白ナンバーもアルコールチェックが義務化となりました。

アルコールチェッカーの種類

アルコールチェッカーは内蔵されているアルコール感知センサーによって、呼気中のアルコール分を測定しています。

センサーには半導体式ガスセンサーと電気化学式センサーの2種類があります。半導体式ガスセンサーはセンサーに付着する酸素量に応じて、電気の抵抗値が変化する特性を利用して測定します。

電気化学式センサーは呼気に含まれるアルコール成分を燃料として、電気が発生する特性を利用して測定しているのです。

それぞれ価格帯や精度の高さ、メンテナンスのコストなどの面で違いがありますので、使用用途・頻度に合ったものを購入してください。

白ナンバー事業者のアルコールチェック義務化について一からご理解されたい方は、『アルコールチェックの義務化にむけて準備しておくポイント』をご参照ください。

アルコールチェッカーの使い方

ここで、アルコールチェッカーの使い方を確認しておきましょう。アルコールチェッカーはどんなときに、どのように使えばよいのでしょうか。

アルコールチェッカーを使うタイミング

アルコールチェックの義務化によって、2022年4月から運転前後の酒気を帯びていないか、10月から酒気帯び結果の記録・保存が義務化されました。この義務化に伴ったアルコールチェッカーを使うタイミングは、運転前後です。

運転前はもちろん、運転業務の後にも酒気を帯びていないか確認しなければならない点に注意しましょう。これは、運転中の飲酒の有無を確認するためです。

また、チェックの結果を記録する際には安全運転管理者の主導でチェックを実施し、管理体制を万全のものにしてください。

さらに、2022年10月からは営業所ごとにアルコールチェック検知器の常備化や、携帯型のアルコール検知器の携行も義務化されます。合わせてバッテリーの維持や損傷の有無など、アルコールチェッカーの管理を徹底させる必要があるでしょう。

アルコールチェッカーの測定方法

アルコールチェッカーの測定方法は大きく分けて3つです。機器本体の吹き込み口に息をかける吹きかけ式と、ストローを差し込んで息を吹き込むストロー式、そして専用のマウスピースを使用して息を吹き込むマウスピース式になります。

吹きかけ式は手軽なこと、ストロー式・マウスピース式は精度が高いことがメリットです。基本的に呼気でチェックしますが、鼻息でもチェックできます。

参考記事:これだけはおさえておきたいアルコールチェックの基礎知識。テレコム・パイオニア共催セミナーレポート |お役立ち情報|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)

 

アルコールチェッカーの選び方

アルコールチェッカーはさまざまなメーカーから販売されています。そのため「どのアルコールチェッカーを使えばいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。

企業で使用するアルコールチェッカーは、次の2点が重要です。

  • 誰にとっても使いやすく、わかりやすい表示である
  • 出張や直行直帰用のものは携行に適したものを選ぶ

ここからは上記の視点を基にして、アルコールチェッカーの選び方を紹介します。

タイプで選ぶ

アルコールチェッカーには、ハンディタイプと据え置きタイプの2種類のタイプがあります。それぞれのタイプで利便性や使用回数が異なるため、アルコールチェッカーを選ぶ際にはタイプで判断してみましょう。

ハンディタイプは鞄やポケットに入れて、仕事・プライベート問わず手軽に持ち運べるメリットがあります。一方で、使用回数が決まっており、いざ仕事前に使用する時に使えないかもしれないというデメリットもあります。

また、据え置きタイプは会社の事務所や営業所に設置して使用するタイプ。搭載している感知センサーを交換さえすれば、中長期的に使用できるのが強みです。しかし、据え置きのため携帯しにくく、ハンディタイプよりも手軽に検査ができません。

測定の精度で選ぶ

仕事でアルコールチェッカーを使用する場合、機器の測定精度は重要でしょう。精度に重要な影響を及ぼすアルコールチェッカーの感知センサーには、電気化学式センサーと半導体式ガスセンサーの2種類があります。

そのうち、電気化学式センサーは測定の精度が高い種類です。タバコの煙や歯磨き粉などから発生するアルコール以外の成分には反応せず、アルコールにのみ反応して濃度を測定できます。価格が高い傾向はあるものの、精度の高さを求めるならば電気化学式センサーを搭載しているものを選んでください。

機能の多さや種類で選ぶ

アルコールチェッカーには便利な機能を搭載したものがあります。たとえばスマホのアプリとの連動機能があるもの。この機能は「いつ・どこで・誰が検査したのか」を遠隔で記録・保存できるので、会社用はもちろん、健康管理の一環で管理したい人にもおすすめです。

また、夜間でも使用できるバックライト機能があるもの、省電力でバッテリーが長持ちするものなど、現在発売されているアルコールチェッカーには便利な機能が搭載されています。

 

アルコールチェッカーの注意点

業務時のアルコールチェックを正確に実施するために欠かせないアルコールチェッカーですが、使用するにはいくつか注意点があります。

アルコールが検出されやすい食べ物・飲み物とは?

アルコールチェッカーの精度によっては、飲酒をしていないにもかかわらず反応することがあります。キムチや味噌汁などの発酵食品、微量のアルコールが含まれているエナジードリンクやノンアルコールビールを摂取した後には、アルコールチェッカーが反応しやすい傾向にあります。

そのほか、喫煙や歯磨きのあとや、ミント系ガムを噛んだあとなども反応してしまうことがあります。

適切に測定するために、業務前の摂取物や口腔環境に気を付けましょう。

アルコールチェッカーには使用期限がある

ハンディタイプをはじめ、アルコールチェッカーには使用期限があるのにも注意が必要です。多くのアルコールチェッカーの使用期限は半年から1年程度、使用回数は3,000回となっています。使用期限が迫るとブザーが鳴るものもあるので、そういったアルコールチェッカーを使用していれば大体の買い替え時期を把握しやすいでしょう。

 

測定だけでなく記録も必要

アルコールチェッカーを仕事で使う際、測定するだけでなくデータ記録が必要とされています。

運行管理業務などではデータ記録が義務付けされている

2022年4月から業務に運行管理を含む企業には、業務前のデータ記録が義務化されています。乗車定員11人以上の白ナンバー車1台以上を保持しているか、白ナンバー車5台以上を保持している場合に義務化が適用されます。恐らく社用車や営業車を保持している企業であれば、大抵の場合は義務化の対象となるでしょう。

適切に検査できるように、アルコールチェッカーの機能や使用期限などをよく検討して準備しましょう。

アルコールチェックで記録する内容

アルコールチェッカーで検査した内容は、しっかりと記録・保持しておきましょう。

記録媒体に規定はありませんが、紙で保存すると汚れや破損などが起こり得るため、データでの保存をおすすめします。保存先は入力しやすい形式を優先して選ぶ、ほかの昨日とあわせて選ぶなどの方法がありますが、おすすめは運行管理システムなどの既存ツールと連携できるものです。

記録する内容は検査日時や実施者の氏名、実施を確認した第三者の氏名、そして検査結果といった基本的な情報は記録しておきましょう。

 

まとめ

アルコールチェッカーの使い方や種類についてお伝えしました。タイプや精度、機能などさまざまなので、用途や求める性能を明確にして選ぶことをおすすめします。

業務で運転をする方はチェックが義務化されているため、アルコールチェッカーが必須となります。アルコールチェックをしっかりと行い、安全な運転を心がけましょう。