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社用車・営業車・商用車の違いは? 選び方のポイントや人気車種をご紹介

企業が持つ車は社用車や営業車、商用車などさまざまな種類があり、目的や役割によって求められる大きさや機能、車種は異なります。社用車の選び方が分からない方や、今ある車両が業務内容に合っているのか不安という方も多いでしょう。 本記事では、社用車、営業車、商用車のそれぞれの違いについて解説するとともに、選ぶ際のポイントやおすすめの車種を詳しくご紹介します。

目次

1.社用車・営業車・商用車の違い

1-1.社用車
1-2.営業車
1-3.商用車

2.社用車を選ぶ際のポイント

2-1.利用目的
2-2.荷室の容量
2-3.乗車定員
2-4.車のサイズ
2-5.燃費

3.社用車を選ぶ際の注意点

3-1.社用車の保険
3-2.事故を起こした際の扱い

4.社用車におすすめの車種10選

4-1.トヨタ自動車株式会社「ハイエース バン」
4-2.スズキ株式会社「エブリイ」
4-3.日産自動車株式会社「キャラバン」
4-4. ダイハツ工業株式会社「ミラ イース」
4-5.スズキ株式会社「アルト」
4-6.トヨタ自動車株式会社「プロボックス」
4-7.日産自動車株式会社「NOTE e-POWER」
4-8.ダイハツ工業株式会社「ハイゼットカーゴ」
4-9.日産自動車株式会社「NV200バネット」
4-10.本田技研工業株式会社「N-VAN」

5.目的に合わせた社用車選びを

 

社用車・営業車・商用車の違い

社用車、営業車、商用車といった言葉は、いずれも法人などが仕事のために使用する車を指します。それぞれの言葉に厳密な定義はありませんが、一般的には次のような意味合いで使い分けられていることが多いです。

社用車

社用車は個人ではなく、法人や個人事業主が所有・管理する車を指します。
使用目的は荷物の配送や役員の送迎、外回りなどさまざまで、選ぶ車種も使用目的によって異なります。一般的にダンプカーやバスなどは、社用車には含まれません。

営業車

営業車は、法人や個人事業主が所有・管理する車の中でも、特に外回りといった営業活動を目的に使用する車を指します。
なお道路運送法第二条第八項では、営業車は事業用自動車として自動車運送事業者が事業に使用する車とされています。(※)

※:e-GoV法令検索「道路運送法(第二条第八項)」

商用車

商用車は、広くビジネスで使用される車を指すことが多いです。
そのため、タクシーやバスなどの旅客輸送車、商用バンやトラックなどの貨物輸送車、ミキサー車やダンプカーなど工事現場で使用される車も含まれます。また、社用車や営業車も商用車の一種です

社用車を選ぶ際のポイント

個人で自家用車を選ぶ際は好みや用途、お気に入りのメーカーなどで自由に選びます。一方、社用車は複数人が使用し、用途も限定されていることが少なくありません。さらに、複数台の社用車を購入するケースもあるため、限られた予算内で必要な条件を満たすものを選ぶことが大切です。
ここからは、社用車を選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介します。

1.利用目的

バスやダンプカーなど法人しか購入しない車は別として、営業車や社用車は特定の車種が社用車として販売されているわけではないため、さまざまなタイプの車から用途にあった車を選びます。そのため、社用車を選ぶ際はある程度利用目的を明確にしておくと選定の際にスムーズでしょう。
例えば営業車として使用したい場合、燃費の良さや狭い路地でも小回りの利くサイズなどは大きなポイントとなります。
社員の送迎用に使用するのであれば、定員が多い車の方が合理的だといえます。一方、役員の送迎であれば高級感のある車の方が向いているでしょう。

2.荷室の容量

荷物を運ぶことが多い場合は、荷室の容量を重視しましょう。
荷台が広く、荷物の出し入れもしやすい軽トラックや、助手席を倒すことで長いものも運べる商用バンもおすすめです。日常的に商品のサンプルや、道具を運ぶことが多いのであれば荷室の容量は欠かせないポイントですが、ルート営業のように大量の荷物を運ぶことがそれほどないのであれば、座席の座り心地を重視した方が良いでしょう。
積載する荷物の量や多さ、頻度などを洗い出した上で、業務に支障の出ない荷室の容量を決定すると良いでしょう。

3.乗車定員

チームでの移動が多かったり、複数人の送迎をしたりする場合には乗車予定の人数に合う車を選びましょう。
乗車定員の目安は、軽バンが大人4人、普通車のバンが大人5名です。大型バンの場合は最大9人まで乗車できるものもあります。

4.車のサイズ

サイズの大きな車は多くの荷物を運んだり、複数人を乗せることができて便利ですが、場所や用途によってはコンパクトな車が適している場合もあります。
例えば、社用車用の駐車スペースが限られている場合や立体駐車場に駐車することが多い場合、営業先の多くが住宅街や狭い路地に面しているような場合であれば、サイズの小さな車の方が合っているでしょう。

5.燃費

自家用車と比較すると、社用車は走行距離が長くなる傾向があります。社用車を使う時間が長い場合は、燃費の良さも大きなポイントです。燃費だけでなく排出ガス性能に優れたエコカーを選べば、地球環境に配慮していると会社のイメージ向上にもつながるでしょう

社用車を選ぶ際の注意点

社用車の扱いは自家用車とは少し異なります。社用車の購入を考える際には次の点にも注意が必要です。

社用車の保険

社用車の場合、個人向けの自家用車を対象とする保険には加入できません。社用車は法人向けの自動車保険に加入する必要があります。
社用車が加入する法人向けの保険では大きくフリート契約とノンフリート契約の2種類あり、フリート契約は10台以上の社用車を一括して管理できる保険です。反対に、ノンフリート契約は9台以下の社用車に対して1台ずつ個別に契約する保険です。
フリート契約のメリットは、まとめて契約することで1台ごとの保険料を抑えることができる点です。また、保険証券も1枚にまとめることができるため、管理面の手間も省けます。ただし1台でも事故を起こしてしまうと、全体の保険料が上がるため注意が必要です。
一方、ノンフリート契約の場合は、事故を起こしても保険料が上がるのは事故を起こした1台のみで、他の車の保険料に影響が及ぶことがありません。ただし、フリート契約よりも1台ごとの保険料は高額です。

関連お役立ち資料:どこまで安くなる?車両事故削減による保険料シミュレーション | 車両管理ならビークルアシスト|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)

事故を起こした際の扱い

社用車が事故を起こした場合は、事故が業務中であったか業務時間外であったかによって扱い方が異なります。
従業員が業務中に事故を起こした場合は、使用者(会社)が事故を起こした従業員と共に責任を負うことになり、使用者責任や運行供用者責任が発生します。
従業員が業務時間外に事故を起こした場合は、会社には使用者責任も運行供用者責任も発生しません。この場合は従業員のみが事故の責任を負うことになります。

関連記事:業務中の事故の対応はどうすれば?報告書の書き方を解説|車両管理ならビークルアシスト|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)

社用車におすすめの車種10選

社用車におすすめの車を、荷室の容量や乗車定員、車のサイズ、燃費の点から10種類ピックアップして紹介します。

1.トヨタ自動車株式会社「ハイエース バン」

社用車としては大型で、荷室の奥行きは最長3m(シートを折りたたんだ際の長さ)、高さは1.3m、幅は1.5mと十分な広さがあります。(※)最大積載量も1トンを超えるため、大量の荷物や道具の運搬にも適しています。
ベースは3~6人乗りですが、定員9名のグレードもあるため、送迎車両としてもおすすめです。

【ポイント】

荷室が広く多くの荷物を積み込める

大人数が乗車可能なため送迎車両として活用できる

出典:トヨタ ハイエース バン | トヨタ自動車WEBサイト (toyota.jp)

2.スズキ株式会社「エブリイ」

多くの荷物を載せたいものの、ハイエースほど大きな車は必要ないという場合におすすめのサイズです。バックドアが大きく開き床面も低いため、重い荷物の積み下ろしにも向いています。(※)

【ポイント】

長尺物も余裕で積める広い荷室

ハイエースよりもコンパクトで小回りのきく車両

出典:エブリイ|スズキ (suzuki.co.jp)

3. 日産自動車株式会社「キャラバン」

トヨタ「ハイエース バン」と同様、社用車としてはかなり大型で、モデルバリエーションが多い点が特長。20種類以上の中から、用途や予算に合わせたモデルを選ぶことが可能です。(※)荷室の容量が多いだけではなく、アレンジ性も高いため、種類の多い道具や商材の運搬にも適しています。

【ポイント】

荷室が広く多くの荷物を積める

優れた燃費性能と静粛性

出典:日産:キャラバン [ CARAVAN ] ビジネスセダン/バン |価格・グレード (nissan.co.jp)

4. ダイハツ工業株式会社「ミラ イース」

軽乗用車の社用車として定番になりつつあるミラ イースは、コンパクトな車体でありながらも、室内はゆとりある設計になっています。空気抵抗を減らす設計や樹脂パーツを使用するなどの工夫で車体を軽量化し、低燃費を実現しているのも人気の秘訣です。衝突回避機能や先行車発進お知らせ機能などの「スマートアシスト」搭載で、社員の安全な運転をサポートします。(※)

【ポイント】

低燃費かつ軽やかな走り

コンパクトな車体のため小回りがきく

出典:【公式】ミラ イースの外観・室内空間|ダイハツ (daihatsu.co.jp)

5.スズキ株式会社「アルト」

「アルト」は、コストパフォーマンスの高さから、社用車として複数台所有したい企業に人気です。低コストでありながら、車線逸脱警報機能や後退時レーキサポートなどの安全運転サポート機能も搭載されています。(※)また、サイズもコンパクトなため小回りが利き、営業車にもおすすめです。

【ポイント】

低燃費で経済的

サイズがコンパクトで小回りがきく

落ち着いた雰囲気が心地よい室内インテリア

出典:アルト|スズキ (suzuki.co.jp)

6.トヨタ自動車株式会社「プロボックス」

コストパフォーマンスの高さに定評があり、フラットな床面のため、荷物を積みやすいのが特長です。車内でノートパソコンが使用できるインパネテーブルや、1リットルの紙パックが入るドリンクホルダーなど、営業車にあるとうれしい機能が搭載されています。

【ポイント】

使いやすい箱型荷室とスクエアな荷室入口で荷積みしやすい

運転席まわりにも収納スペースを設置

出典:トヨタ プロボックス | トヨタ自動車WEBサイト (toyota.jp)

7. 日産自動車株式会社「NOTE e-POWER」

2020年11月のフルモデルチェンジよりパワートレインがe-POWERに統一され、EVのようなリニア感やHVを超える静かさを実現しています。(※)コンパクトカーならではの小回りの良さがありながらも室内にはゆとりがあり、荷物を積むのはもちろん送迎車としてもおすすめです。

【ポイント】

荷物の出し入れがしやすいラゲッジルーム

コンパクトで小回りがきく

出典:日産:ノート [ NOTE ] コンパクトカー | 走行・安全 (nissan.co.jp)

8. ダイハツ工業株式会社「ハイゼットカーゴ」

スズキ株式会社の「エブリイ」と並んで人気の軽キャブバンです。運転席と助手席以外をたたんだ状態で、中京間の畳が9枚、みかん箱だと約68個も積載が可能になります。また、スマートアシスト搭載で安全運転もサポート。(※)荷物を積んでいても後方が見やすいスマートインナーミラーがあるのもうれしいポイントです。

【ポイント】

軽キャブオーバーバンとして十分な積載量

燃費性に優れている

出典:【公式】ハイゼットカーゴ トップページ|ダイハツ (daihatsu.co.jp)

9.日産自動車株式会社「NV200バネット」

商業車としての実用性や十分な荷室スペースを備えながらも、洗練されたデザイン性が人気の車種です。乗車定員は2名ですが、セカンドシートを装着していれば5名まで乗車できます。収納力に優れており、蛍光灯や配管などの長物や1間サイズの板も積み込めます。荷室の天井が高いので車の中での作業も行いやすく、幅広い用途に対応できる車です。(※)「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」搭載で昼夜問わず社員の運転をサポートしてくれます。

【ポイント】

荷物の出し入れや乗り降りがしやすい低い床面地上高

セカンドシートを装着していれば5名まで乗車できる

出典:日産:NV200バネット [ NV200VANETTE ] ミニバン/ワゴン | 外観・デザイン (nissan.co.jp)

10.本田技研工業株式会社「N-VAN」

「N-BOX」を彷彿とさせるスタイリッシュなデザインから自家用車としても人気がある軽キャブバンです。エンジンや燃料タンクを車前方へ位置させることで、荷室スペースを縦に確保でき、段ボールを積み上げたり背の高い荷物を乗せたりすることも簡単です。フロントドア内側のトレーやUSBジャックなど業務効率をアップさせる工夫も社用車として支持されるポイントです。(※)

【ポイント】

350㎏の積載量にまで対応

ピラーレスのため助手席からも積み荷が可能

出典:N-VAN|Honda公式サイ

目的に合わせた社用車選びを

社用車、営業車、商用車などと、呼び方は異なりますが、法人や個人事業主における車選びで大切なのは目的に合った車を選ぶことです。まずは用途に合った大まかなタイプを絞り、さらにどのような機能があれば快適かを考えていきましょう。
また、社用車を効率よく使用するためには安全運転の指導や、運転記録を保存するなど日頃の管理も重要です。

パイオニア株式会社が提供するビークルアシストは、安全運転の促進や業務の効率化でお悩みの方をアシストする車両管理サービスです。通信型ドライブレコーダーやカーナビゲーション、専用アプリなどニーズに合わせた導入方法が選べ、高度な画像解析AIにより運転時のヒヤリハットや事故リスクを分析、警告を発したり運転傾向などをまとめたレポートを作成したりすることができます。また、車載機からの高精度な位置情報によって訪問先などを自動判定するため、日報や月報の自動作成も可能です。

社用車選びの際には、車両管理サービス導入も是非ご検討ください。