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社有車の維持費はどうやって削減する?コストの見える化のすすめ

企業において、社有車を導入する上で気になるのが維持コストです。個人で車両を所有している場合と同じように、社有車も所有している限り維持費が発生します。社有車の維持コストを削減するには、まず使用状況を「見える化」し、どこのコストを削減しうるかを俯瞰して検討することが大切です。そのポイントについて解説します。

目次

1.社有車の維持コストの内訳

1-1.購入の場合
1-2.カーリースの場合

2.社有車の維持方法を見直してみよう

2-1.中古車を利用する
2-2.自動車保険の契約内容を見直す
2-3.社員のプライベートな使用を防ぐ
2-4.カーリースに切り替える
2-5.軽自動車に乗り換える

3.車両ごとの使用頻度や利用状況を把握し、コスト削減を行おう

3-1.車両管理システムで社有車のコストを把握する方法も

4.車両管理システム・GPS導入のメリット

4-1.GPS機能導入のメリット

5.まと

社有車の維持コストの内訳

社有車の維持コストは、使用状況や業務内容によって変化します。そのため、すべての社有車に対して均一なコストで維持することは難しいでしょう。
では、具体的に社有車の維持コストの内訳を見てみましょう。社有車を購入する場合とカーリースを利用する場合、それぞれについて解説します。

購入の場合

社有車を購入する場合は、まず現金一括で支払うかローンを組んで購入するかの2択になります。ローンを組んで購入する場合でも、頭金のほか重量税自動車取得税リサイクル料金などの初期費用の用意が必要です。
自賠責保険任意保険への加入も忘れずに行わなければいけません。自賠責保険や任意保険にかかる費用、自動車税などの税金は、車両の購入方法にかかわらず車両を所有している限り継続的に発生します。加えて、燃料代高速代などの走行中にかかる費用も必要になります。
さらに、定期的に行うメンテナンス費用車検費用、用途に応じたカスタマイズ費用も忘れてはいけません。
社有車を購入してから発生する費用は意外に多いため、使用頻度とかかるコストをあらかじめシミュレーションしておく必要があります。

カーリースの場合

カーリースのサービスは企業の社有車に多く導入されています。
カーリースを利用する場合、車両の所有権は企業側に発生しません。車両の名義はカーリースサービスの提供元であるため、購入費用はもちろん、車検代や各種税金、自賠責保険料などの費用が必要ありません。これだけ見るとメリットが多いように見えますが、毎回支払うリース料金には、これらの諸費用を上乗せして計算された金額が請求されるため、最終的には購入した場合の総額よりも高額になることもあります。
また、車種や運転者の年齢などによって内容が変わる任意保険料日々の燃料代や高速代は、購入した場合と同様に、費用として継続的に発生します。メンテナンス費用が定期的にかかるリースプランや、車検や点検整備などの項目がすべて月額料金に含まれているリースプランもあります。
総合的に見ると、カーリースの良い点は毎月かかる費用がわかりやすく、社有車管理の手間が大幅に削減できる点です。最終的な費用は購入よりかかってしまうものの、管理にかかるシステム導入費用や人件費などを考慮すれば、お得に活用できます
参考:社用車の購入とリースを比較。車両管理にはどちらがお得? |お役立ち情報|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)

社有車の維持方法を見直してみよう

企業によって社有車を使用するタイミングや頻度は異なりますが、社有車の維持コストを気にしないまま運用しているケースは少なくありません。もし、社有車にかかる維持コストが負担に感じる場合には、日々の使い方や運用を見直すことで改善される可能性があります。
では、具体的にどのようにして維持方法を見直せば良いのでしょうか?

中古車を利用する

購入コストが高額であると感じた場合、中古車の購入を検討してみましょう。乗車するスタッフが固定されてない場合や、幅広い用途で使用される場合は、キレイに洗車や内装を掃除してもすぐに汚れてしまいます。そのため、新車を購入してキレイな状態を維持し続けるのは難しくなります。来客を頻繁に乗せたりしない限り、中古車で事足りる場合がほとんどです。
中古車を社有車とすることで、節税効果につながる可能性もあります。中古車を社有車として購入した場合、新車よりも法定耐用年数が短くなります。耐用年数が短いほど、費用として扱える減価償却費が多くなり、納税時に節約できる金額が多くなります。

自動車保険の契約内容を見直す

社有車の維持方法の見直しに関して、自動車保険の内容にも注目しましょう。自動車保険の内容は、運転者の年齢や事故を起こした際の補償範囲などによって異なります。
年齢制限に関して、たとえば社有車を導入した当時「25歳以下の人が運転できないプラン」を設定していたとしても、年月が経過して現在の運転する従業員の年齢が30歳を超えた場合、年齢制限のボーダーラインを上げることで保険料が安くできる可能性があります。
また、事故に関する補償範囲についても見直しましょう。多くの事例で保険が適用されるプランであれば心強いですが、その分保険料は高額になります。そのため、過去の利用状況を参考にすることで、起きやすい事故の事例とそうでない事例がはっきりしてきます。
事業所の立地や近隣の交通状況を含めて、必要のない補償内容だと判断した場合は、思い切って保険の内容を見直すことが大切です。

社員のプライベートな使用を防ぐ

事業内容によっては、社有車を使用して遠方へ出向かなければならなくなり、帰宅時間が遅れる場合があります。その場合、指示によってはそのまま自宅への帰宅が許されるケースがあります。このようにやむを得ず対応する場合がありますが、もし翌日が休日だった場合、プライベートで使用されてしまう恐れがあります。この場合、燃料代や走行距離などが曖昧になりやすく、社有車を管理している担当者も過去の履歴を追いづらくなってしまうので注意しましょう。

カーリースに切り替える

状況に応じて、カーリースへの切り替えも検討しましょう。とくに、社有車を多く所有する企業の場合は、管理が煩雑になりやすくなります。そのため、プランによっては管理の負担が少なく済むカーリースを導入することで大幅に改善される場合があります。
近年のカーリースサービスでは、標準仕様でカーナビやETC車載器が取り付けられている車両も多く、高速道路の走行や遠方へ出向くことが多い企業でも安心です。取り付けにかかるセッティング費用もかかりません。
多くの社有車を所有している企業で大きなメリットがあるカーリースですが、あまりに古い車種だったり、車両の状態が悪かったりすると、燃費が悪化し部品交換の頻度も多くなってしまいます。カーリースをする際は、なるべく新しいモデルの車で契約することでこれらの問題を解決できます。
契約の際には、車検費用や点検費用などを明確にしておきましょう。長期契約の場合は、経費の分散にも役立ちます。

軽自動車に乗り換える

社有車は、必ずしも普通車である必要はありません。社有車の維持コストを見直す際には、軽自動車への切り替えも検討しましょう。なかには、企業イメージを保つといった理由で普通車を選ぶケースも多いです。また、もしもの場合に備えて積載量が多い車や、乗車人数が多い車を選んでいることもあります。しかし、実際に社有車を運用していくと、想定していたより物を積まなかった、人を乗せる機会が少なかったというケースはよくあります。
軽自動車に切り替えることで、見た目や内装は大きく変わりますが、税金や保険料など継続的にかかる費用を安く抑えられます。社有車の維持コストを削減したい場合には、とくに優先的に考えるべきことがこの軽自動車への切り替えになります

参考:経費を大幅に削減!社有車の燃費向上テクニックについて解説 |お役立ち情報|クラウド型車両・運行管理サービス ビークルアシスト|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)

車両ごとの使用頻度や利用状況を把握し、コスト削減を行おう

社有車に対して維持費が高いと感じる場合は、実は利用状況が具体的に把握できていないケースがほとんどです。特に、社有車を複数台所有している企業は、各社有車の特性や使用状況に合わせた計画的な運用ができていない場合が多くあります。
利用状況を把握しきれていないと、実際は今ある社有車の台数で業務をカバーできるのに「社有車が足りない」といった判断をしてしまい、新たに車両を手配してしまうことにもなりかねません。そのため、運転する人数と業務内容をしっかり照らし合わせて、適切な台数で運営していくことが重要です。
一方で、社有車を所有していても使用頻度が少ない場合もあります。この場合、社有車を新しく購入すると、そこまで必要のない諸費用や維持費が高くついてしまうことになるため、スポットでの利用の際はレンタカーやカーシェアリングなどの外部のサービスを利用することで大幅なコスト削減を実現できます。
カーシェアリングサービスは、利用時間に応じて料金が発生する仕組みです。そのため、使用頻度が少ない社用車をわざわざ保有するよりもかなりお得です。24時間いつでも使用でき、燃料も満タンにして返却する必要がない場合もあるので、走行距離が長い場合にもお得です。選択できる車種やグレードは少ないですが、数時間のみの運用や特定の日だけ運用したい企業にとっては、気軽に低コストで社有車として運用できます。
このように、社用車の使用状況を把握、管理する「見える化」を図ることで適した手段を選ぶことができ、結果コストの削減につながります。所有している社用車の現状を見直すことで、普段気付きにくかったコスト面が浮き彫りになってきます。

車両管理システムで社有車のコストを把握する方法も

社有車を効率よく運行管理したい場合、車両管理システムやGPSの導入がおすすめです。これらの機能を導入することで、社有車の位置情報、走行記録などが明確になり、コスト削減につながります。
車両管理システムには、SIMカードを装着した車載器を設置するタイプやシガーソケットに挿すタイプのもの、ドライブレコーダーと一体化したタイプのほかに、スマホやタブレットで利用できるアプリ型の商品もあります。 車両管理システムを導入することで、安全運転の管理ができるため事故を未然に防ぐことはもちろんですが、使用状況が「見える化」できることで社有車を効率よく運用できます。そのため企業にとっては、社有車のコストを削減する上で大きな役割を担ってくれます。
参考:ドライブレコーダーの選び方!目的に合わせて機能をチェック |お役立ち情報|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)

車両管理システム・GPS導入のメリット

車両管理システムのメリットはいくつかあります。危険運転を察知してアラートを通知する、危険運転が起こりやすい場所を地図上にマークするなどの機能を使うことで安全運転の徹底ができます。
走り慣れていない環境での走行では危険が常に付きまといます。そのような状況下であっても、この危険運転に関する機能があることで安心して走行できます。安全運転の徹底により事故が減れば、余計な修理費はかからず、保険料の上昇も避けられます。

管理業務の効率化も可能に

また、位置情報や到着予測時間を把握できるため、目的地へのルート設定や到着時間の予測がより正確にできるようになります。事故や渋滞を避けてルートの最適化ができれば、車両や従業員の生産性の向上につながります。スケジュールがタイトな場合に有効活用できそうですね。
ほかにも、走行距離や位置情報などを記録する日報機能があります。通常であれば、出先から帰社したタイミングでその日の走行情報を記録しなければなりませんが、車両管理システムであれば、自動的に日報を作成してくれます。この機能を活用することで、従業員の業務の効率化や残業時間の削減にも役立ちます。

GPS機能導入のメリット

車両管理システムの中に、GPS機能が搭載してあるものも人気があります。GPSは、位置情報や移動ルートなどを記録する機能が特徴的ですが、GPSを導入することで企業はもちろん、取引先にもメリットが生まれます。決して、社員の走行状態を監視する役割だけではないことを覚えておきましょう。
会社側からすれば、GPSでルートを管理することによって効率的なルートの検討ができ、無駄な走行時間や燃料の削減につながります。また、運転者が自身の運転がGPSによって可視化されていることを意識するだけでも、交通事故の削減が期待できます。車両管理システムでのメリットと同様、交通事故のリスクが少なくなることで修理代や保険料を抑えられます。
コスト面以外のメリットもあります。取引先とGPSの位置情報を共有することで、到着時間の予測や道路の混雑状況が把握できます。取引先にとっては通常目に見えない部分なので、GPSを導入することで可視化され安心感が生まれます。また、集荷依頼の際に社用車がどの辺りを走行しているかがはっきりすることにより、集荷依頼がスムーズにでき、取引先から受ける信用性も高まります。

参考:ドライブレコーダーにGPSは必須?必要性とメリット・おすすめ機種を解説 |お役立ち情報|パイオニア株式会社 (pioneer.jp)

まとめ

この記事では、社有車の維持コストの削減をするにあたって、使用状況の「見える化」の重要性について解説しました。社有車の維持コストの削減を検討する際には、まず現状の社有車の運用状況を把握することから始めてみましょう。
運転者の年齢や利用シーンによって、実は社有車を多く抱えすぎている、社有車のサイズ感が大きすぎるなどといった点に気付くかもしれません。その上で、社有車のサイズや保険の内容の見直し、加えてカーリースの導入などの検討をしていくのがおすすめです。
近年では、業務を効率化させるための「見える化」に役立つ車両管理システムがさまざまな企業で活用されています。車検のタイミングや社員の増加、事業規模を拡大する前に、一度社有車の維持コストについて見直すことを心がけましょう。