最近、スマホ向けの無料のドライブレコーダーアプリが多数登場しています。手軽にスマホをドライブレコーダーの代わりとして使うことができ、個人や法人問わず人気を集めている一方、熱暴走しやすい、アプリが途中で停止するといった点には注意が必要です。
本記事では、ドライブレコーダーの役割とは何か、スマホでドライブレコーダーアプリを使うメリットと注意点、おすすめのスマホアプリやドライブレコーダー本体を車に搭載した方が良いケースを解説します。
1-1.事故時の証拠
1-2.あおり運転対策
1-3.駐車中の車の防犯
2-1.無料・安価に導入できる
2-2.手軽に設置できる
2-3.ドライブレコーダー以外の機能も充実
3-1. 取り付け幅
3-2. 固定方法
3-3. 設置方法
4-1.ドライブレコーダーアプリをインストールする
4-2.カメラの角度を調整する
4-3.録画開始
4-4.運転終了
5-1.地図と映像をあわせて確認できる
5-2.衝撃時録画機能など録画方法を選べる
5-3.危険運転時にはアラートで警告
5-4.運転後は安全運転診断ができる
6-1.バッテリーの消費が激しい
6-2.熱暴走しやすい
6-3.速度に誤差が生じやすい
6-4.使っていないスマホが必要
ドライブレコーダーを設置する大きな目的は、事故に巻き込まれた時の証拠と防犯対策です。事故時の過失割合の決定の際、ドライブレコーダーの記録は大きな決め手となります。
事故の際の証拠として有効なのはドライブレコーダー設置の利点です。交通事故では、当事者双方または目撃者の証言から過失割合を決定します。双方の証言が一致すれば良いものの、当事者間の言い分が異なると過失割合が定まらず、損害賠償額も決定できません。どのような運転をしていたかを映像で記録できるドライブレコーダーがあると事故対応がスムーズに進みます。
ドライブレコーダーは、あおり運転対策にも効果的です。録画されていると分かればドライバーの危険運転の抑止につながります。実際にあおり運転の被害にあった時に、ドライブレコーダーの映像を証拠として提出できるのも強みです。
令和2年6月30日施行の改正道路交通法により、悪質なあおり運転には妨害運転罪が適用されます。(※1)3年以下の懲役または、50万円以下の罰金(著しい危険を生じさせた場合は懲役5年、罰金100万円以下)が科せられるだけでなく、免許も取り消されます。(※2)あおり運転の立証時にドライブレコーダーの果たす役割は大きいでしょう。
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ドライブレコーダーは駐車中の車の防犯に効果的です。機器の中には、車が停車している時も録画を続けられるものや衝撃が加わった時に録画を開始するものがあります。駐車場に車を停めている時も、この機能が備わったドライブレコーダーを設置すれば、車上荒らしや自動車の盗難防止に役立ちます。
スマホのドライブレコーダーアプリには無料でダウンロードできるものもあるため、手軽にドライブレコーダーを試したい時におすすめです。安全運転のサポートなど録画以外の機能も充実しています。ここでは、スマホドライブレコーダーアプリの特徴を3つ紹介します。
スマホで使えるドライブレコーダーアプリには無料のものも多くあります。有料のアプリだとしてもドライブレコーダー本体を購入するよりは安価です。気軽にドライブレコーダーを試してみたい方に向いているでしょう。
ドライブレコーダーは一度設置すると、取り外しにくい製品もあります。スマホの場合、設置場所を変えるだけでドライブレコーダーの位置も簡単に変えられます。車を買い替えた時や車を複数台所有している場合も手軽に再設置が可能です。
ドライブレコーダーアプリには、地図表示機能、ルート記録機能、衝撃時録画機能、常時録画機能などの基本機能が搭載されています。他にも危険運転時にアラートを発する機能もあります。録画だけでなく幅広い機能がありますので、自分の運転を振り返る上でも役立つでしょう。
スマホをドライブレコーダーとして使う時は、車載用スマホホルダーを利用しましょう。ダッシュボードの上に置いたり、助手席の人に持ってもらったりすると、動画に収めたい部分がきちんと入らず、正確な録画ができないことが多いため避けるようにしてください。車載用スマホホルダーを購入する時は、スマホの幅にホルダーが合っているか、取り付けやすい方法かどうかを確認しましょう。ホルダーを選ぶ際のポイントを3つ解説します。
取り付け幅や耐荷重が設置したいスマホに対応しているか確認しましょう。ポイントはスマホのケース込みで対応しているかどうかです。ケースを外さないと設置できない場合、手間がかかり使いづらくなってしまいます。
スマホの固定方法はホルダー選びの重要なポイントです。固定方法は以下の3つが主流です。
アームに組み込まれたバネの力でスマホを固定する方法。対応サイズが広く、グリップ力も強い点がメリットです。デメリットとしては、アームを広げて取り付けるため着脱しづらい点が挙げられます。
スマホ本体にプレートを取り付け、ホルダーの磁石にくっつけて設置する方法。着脱が手軽で本体に傷がつかない点がメリットです。スマホに専用のプレートを取り付けるため、見た目が気になることがあります。
バネ部分が自動で開閉するタイプ。スマホの着脱は簡単ですが、サイズが合っていないと走行時に落下する恐れがあります。
車載用スマホホルダーの設置方法は大きく3つに分けられます。設置場所は視界にも影響しますので、走行中も邪魔にならない位置に取り付けられる方法を選びましょう。
その名のとおりエアコン吹き出し口に付けるタイプです。視界を遮りにくく、スマホの熱暴走を予防できるメリットもあります。車種によっては取り付けが難しいため、事前に確認しましょう。
吸盤やゲルを使って設置するタイプです。車内の好きな場所に設置できて着脱も簡単ですが、吸盤が汚れると吸着力が低下し走行中に落下する恐れがあります。
メーターフードなどにクリップで挟んで設置するタイプです。クリップのため安定感が高く、着脱が容易な点がメリットです。設置場所によっては視界が遮られる恐れがあります。
ドライブレコーダーアプリの使い方を紹介します。車載用スマホホルダーを用意したら、実際にスマホでドライブレコーダーアプリを使ってみましょう。一般的な使い方の流れを解説します。
使いたいドライブレコーダーアプリをApp StoreやGoogle Playからインストールします。インストール後はGPS機能をONにするなど案内に従い設定を進めましょう。設定ができたら、車載用スマホホルダーにスマホをセットして準備完了です。
次にカメラの角度を調整します。ドライブレコーダーアプリを機動してスタートボタンを押すとカメラ画面が表示されます。前方を走る車両のナンバープレートは映っているか、左右の車は表示されているかなどを確認しましょう。カメラの角度を適切に設定したら設定終了ボタンを押します。
設定が終了すると録画を開始します。ドライブレコーダーアプリによっては、衝撃感知時だけ録画するものもあります。走行中の全行程を録画したい時は、録画ボタンを押すなどの方法もありますので、マニュアルに沿って設定しましょう。
運転が終わったら、アプリの終了ボタンをタップしてアプリも終了します。アプリによっては運転診断記録などが表示されるため確認してみましょう。録画した映像は再生リストなどから確認できます。
スマホにドライブレコーダーアプリをインストールすれば、運転中の動画を残せるだけでなく、安全運転のサポートや運転の採点など、さまざまな機能を利用できます。
ドライブレコーダーアプリでは、単に運転時の映像を記録するだけでなく、Googleマップなどの地図機能と同時に再生し、地図と実際の運転の両方を確認することが可能です。事故が起こってしまった際は事故発生の日時、住所、自動車の速度など必要な情報も確認することができます。
スマホのドライブレコーダーアプリでは全行程を録画するだけでなく、衝撃を感知した前後の状況に絞った録画も可能です。この機能を使えば、事故の決定的瞬間は逃さず、スマホのデータ容量などを抑えられます。
ドライブレコーダーアプリによっては、運転中の映像や走行データを逐一AIが解析し、危険運転に対してアラートで警告してくれるものもあります。交通違反やヒヤリハットなどを事前に教えてくれるため、運転に自信のない人にも向いています。
安全運転診断機能のあるアプリなら、走行前に診断ボタンをタップすると、自分の運転を点数で見える化できます。車間距離やハンドル、アクセル、ブレーキなどを採点できるため、自分でも気が付かない運転時の癖に気付くことができ、安全運転の助けとなるでしょう。
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ドライブレコーダーアプリは、手軽にスマホをドライブレコーダー代わりに使えるものの、バッテリーの消費量が激しかったり熱暴走でアプリが止まったりと正常に録画できないこともあります。事前に注意点を確認してから利用を検討しましょう。
ドライブレコーダーアプリで常時録画をすると、大量の電力を消費します。アプリによっては短時間の録画でも多くのバッテリーを消費するため、途中で録画が止まらないよう注意が必要です。衝撃時のみの録画とするか、シガーアダプターと接続して充電しながら録画するなどの対策をしましょう。
ドライブレコーダーアプリはバッテリーの消費量が多いため、熱暴走しやすいです。熱暴走とは、スマホ本体が熱を持ち正常に動作しなくなる状態を指します。熱暴走すると、スマホ本体やスマホアプリが停止してしまい、記録を残せない恐れがあります。夏場は直射日光の当たるダッシュボードに設置すると、高温になりスマホがフリーズしやすくなるので気を付けましょう。
ドライブレコーダーアプリでは走行中日時・住所・距離・速度などの必要情報を表示できますが、速度には誤差が生じやすいため注意しましょう。事故を起こした時の過失割合の判定では速度も重視されます。事故の証拠として活用したい時は、速度まで正確に計測できる方が良いでしょう。
スマホをドライブレコーダーとして使う時は、ストレージの消費量にも注意が必要です。録画中は基本的に他の操作ができないため、メインのスマホをドライブレコーダー代わりに使うのはおすすめできません。使っていないスマホの活用や専用のスマホやタブレットがあると便利でしょう。
ドライブレコーダーアプリは手軽に使えるものの、以下のようなポイントを重視するならスマホではなくドライブレコーダー本体を取り付けるのがおすすめです。
特に、社有車に設置する時は事故時の対応も考慮し、スマホアプリよりもドライブレコーダーの方が望ましいでしょう。
ドライブレコーダーを事故時の証拠として使いたい時は、以下の機能を満たす必要があります。
事故は正面から起きるとは限らないため、撮影できる範囲は広範囲であるほど有効です。解像度が低いとナンバープレートが読み取れず、証拠として機能しない恐れもあります。最近の信号機は光が高速で点滅するLEDライトが主流のため、対応しているドライブレコーダーでないと、信号機の色が黒く映ってしまう可能性があるので注意しましょう。夜間走行が多い場合、画質によっては録画しても画面が暗い場合があります。夜間記録にも対応しているか確認が必要です。
ドライブレコーダーアプリをインストールすれば、スマホをドライブレコーダー代わりに利用できます。無料で手軽に使える反面、熱暴走でアプリが停止する、走行速度に誤差がでるなど安定性に欠ける点がデメリットと言えます。そのため、事故の証拠として機能するような動画を撮影したい時は、ドライブレコーダーを設置するのがおすすめです。
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